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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
継承の刻、天を放し窺うは機

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術式組込中 後篇



 世界ごと、差異の存在する魔法術式。

 そしてそれは時代も同様……システムにより資格さえあれば誰でも使える魔法だが、とても奥が深いものなのだ。


「……そもそも、俺にINT値が充分にあれば何の問題も無かったんだけどな」


 職業能力がどうだ、キャパシティがどうだとこれまで延々と語り続けたが、休人の場合縛りプレイでもしない限り、俺と同様の悩みなど抱えるはずがない。


 INT値、これは有り体に言ってしまえば仮想の脳みその大きさ。

 数値がデカければデカいほど、より優秀な脳みそが手に入るわけだ。


 ただ創作物のINT値でよくある通り、その数値が直接頭の良さに繋がるのかと言うとそうではない。


 その脳みそはシステム由来の力を使う際、その処理をするためだけに存在した。

 分かりやすく言うと──暗算をする際には使えないが、暗算スキルを使う時は使える。


 その関係だからだろう、魔力関連職やスキルを持っていなくとも、ある程度INT値があれば術式を保存するキャパシティが仮想脳みその中に用意されるのだ。


「ただ、魔術って最初はシステム由来ってわけじゃないのにな。なのになんで、そのシステム由来の保存枠に入れられるんだ?」


《規格として、魔術や魔装に用いられている術式は魔法と互換性があります。どのような術式であれ、ある一点──魔力を用いるという大前提を違わない限り、システムはそれを術式として組み込むことを許容します》


「魔力も魔力で謎が多いわけだが……まあ、地球にそんなシステムは無いわけだし、そういうものって割り切った方がいいか」


《その通りかと。職業能力によって枠が追加で確保できるのは、本来裏技のようなもの。しかし、だからこそ様々な活用ができるよう仕込まれたように思えます》


 まあ、実際そうして裏技的活用をしているのが俺たちなわけだしな。

 自分なりに解釈して、気になる部分を噛み砕いていった。


「魔法が正規版だとして、魔術と魔装は方向性は違えど非正規。ただし、システムという本体で読み込み可能だから問題無し、みたいな感じか?」


《その認識で問題ありません》


「……魔術は本体での運用、魔装は本体でも使えるけど別の装置でも使える。むしろ、その方が効果を発揮するタイプか」


 何らかの理由で本体に不備が生じている、だからこそ別の装置を介して使えるようにしている……それが魔装。


 適当かつ正答が分からない解釈ではあるものの、自分が納得できればそれでいい。

 ……全部を理解しなくても使える、道具(ツール)の便利な点はこれだよな。


「うーん、更新は順調か?」


《もう間もなくかと。お待たせしてしまい、申し訳ございません》


「いや、理解すれば理解するほど、俺には何もできなかったってことだけよーく分かるからな。何もできなくてすまん」


 ここで手伝いを申し出ることができるならば、そもそも今のような時間は無い。

 いっそ、[ログアウト]していた方が邪魔にならないのでは? などと思う俺だった。



※魔法と魔術

スマホであれば正規アプリと非正規アプリのような違い

内容はともかく、インストールできる規格さえあればとりあえず入れられる

ただ、規格が決まっていない分、使用者次第となっている


p.s. 無字×1151

最近、PCが重い作者です

CPUの稼働率も高め……うーん

バッテリーを気にして低スペックモードにしていましたが、変えた方がいいのかも?

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