術式組込中 前篇
ちょっとしたアイデアを形にしてみたら、禁忌扱いで使えなくなってしまった。
召喚で遊ぶ玩具の銃──『召玩銃』、なんて名前まで考えていたりするんだけどな。
《第一段階、術式の改良が終了しました。以降は『愚者の石』に登録された術式を、空き容量に書き込んでいきます》
「ああ、頼む……何だかんだ、都度切り替えるのも苦労するようになってきたからな」
術式の改良を始めた日から、すでに数日が経過している。
銃がボツを食らった後も、『SEBAS』はコツコツ術式の更新を行ってくれていた。
そして本日、職業能力内に登録されていた全術式の軽量化が終わったらしい。
その勢いのままに、今度はこれまで使っていた術式を足していくようだ。
これまではずっと、俺が術式を使う場合は『愚者の石』を必要としていた。
しかしながらアイテムの仕様上、三つしか登録できない石は切り替える必要がある。
これがまたかなり面倒臭い。
どの石にどの術式を入れたのか……は把握しているが、それがどういった順番なのかを瞬時に見極めて選択する必要がある。
ましてや、その使い時は戦闘。
特に俺が対処しなければならない相手は強者というか圧倒的格上、少しの隙も文字通り死に繋がるような致命的なものだ。
「これまで『愚者の石』に入れた、全術式が入れられるのか?」
《はい。本来職業能力ごと、術式を保存するキャパシティがございますので。正規の術式獲得はできなくなりますが、そちらに入れる形で保存を行っていきます》
「普通の休人なら、転職したらその辺が変化して困るわけだが……【救星者】って、改めてチートだな」
カンストせずとも、一度開放さえすればその職業を組み込んだことにできるらしい。
お陰で全然育ってはいないものの、魔力関係の職業も一部は上級職を組み込めている。
まあ、一番重要なのは“職業強化”で経験値を割り振りキャパシティを強化すること。
下級職は大半それを済ませていて、新規の魔力系職を住民が発見するのを待っていた。
「魔力運用……新しいアプローチ、はまだ存在するんだろうか?」
《……おそらく、カテゴリーとしては存在しないかと。ジャンルであれば差分が、また世界ごとに異なる形式での存在であればあるいは……》
「システムを使う魔法、そうじゃない魔術、装備できる魔道具を媒介にする魔装、そして魔力そのものを使う魔動……ここまでやるともう、ほとんど何も残って無いな」
まあ、むやみやたらにたくさんあっても、処理し切れない気はするけども。
事実、俺はできていない……使えると使いこなせるって、全然違うんだよな。
※魔力の運用体系
システムの存在する世界では、基本的に魔法・魔術・魔装の要素を持つ技術が登場する
そのうえで、星の理の影響によって独自の体系を生み出す世界もある
p.s. 無字×1149
毎月恒例のチャット及び催眠更新日です
最近、ドラクエは釣りイベント
好成績を出すと(リアルで)お菓子が貰えるようです
……そこまで廃人にも成れず、かといって運があるわけでもないので、諦めてますけど
非売品はともかく、そこに費やす時間でお菓子を買った方が…………うん、何でもないです




