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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
継承の刻、天を放し窺うは機

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術式編纂中 中篇



 現在、術式保存の容量を確保するためにいくつかの術式を改変中。

 そのうちの一つを試したのだが……うん、シンプルな技名とは裏腹にえげつなかった。


「一番ヤバいのは魔力での干渉……ハッキング、発動阻害なんてのもお手の物か」


《……旦那様》


「ああうん、分かってるぞ。俺には無理だろうな……」


 能力値的には魔力も器用さも充分にあるのだが、如何せん当人の技量的問題だな。

 魔力を読み取る、術式の核となる部分に干渉……膨大な時間、修行しないと無理だよ。


「まあ、ロマンはあるからできるように努力だけは頑張ってみるとして……全工程を終わらせるのにどれぐらい掛かりそうなんだ?」


《術式開発、及び保存の制限は術式自体の魔力的容量と使用回数によって決まります。現在行っている下級職の基礎魔法関連ならば、引っ掛かるのは使用回数のみです》


「……基礎魔法レベルであれなのか。魔改造の域を超えているな」


 職業能力として組み込まれている、システム的な魔法は主に基礎魔法と呼ばれている。

 それは魔法スキルの中でも、比較的容易に習得できるものばかりだからだ。


 まあ、稀に職業能力でしか覚えられないような魔法もあるんだけどな。

 ……それもほぼ同一の術式を編めるなら、今の『SEBAS』みたく開発できるけど。


「スキルがあれば、職業能力はある意味不要なわけだが……まあ、それも上級までか」


《はい。ソレに特化した『プログレス』でもない限り、最上位職のみに扱うことが許された魔法はスキルに組み込めません。それだけの出力となっております》


「……『騎士王』は?」


《旦那様、術式とはそれそのものを職業に組み込まずとも発動可能なのです》


 つまりはそういうことだ。

 俺が『愚者の石』を介して下級職に保存できないような術式を使っているように、例外は存在する。


 それが自前の術式演算。

 能力値的にはINTの分野、システム製の魔法はこのINTの数値で扱える魔法を決めているが、それ以外にも用途が存在する。


 一から構築する術式、ファンタジーなナニカが用いられるそれはどこで作られるのか。

 その答えこそ演算領域、システムに登録された術式はその辺が自動で処理される。


 ではそうではない術式は?

 集めた魔力をどう扱い、どう出力するのか一から設定していかなければならない……が理論上、成立すればどんなもので可能だ。


《『騎士王』、そして【魔王】などはそれが可能でしょう。どちらも最上位職の魔法を把握しているでしょうし、それを構築する才能も持ち合わせております》


「……『SEBAS』も可能なんだよな」


《はい。許可は【試験職】によって出ておりますので、術式の演算も私を介することで通常より多く確保した分で展開可能です》


「そういう介助もできちゃうのか……いつもお世話になっています」


 もともと大規模な術式などは、複数人の術者が集まって展開したりする。

 それを単独で行えるのが最上職であり、できないからこそ複数人でソレを補う。


 なので、間違ってはいない……はず。

 使えないよりかは使える方がいいし、細かいことは気にしないでおこう。



※演算領域

無意識の……みたいなアレのシステム版

どうして魔法を唱えたら使えるの? という疑問に対する回答

「アレク○、魔法使って」と言ったらやってもらえる感じ

スマホを正確に理解せずとも使えるように、システムとしてあるから使える……ただそれだけ

そのうえで、きちんと理解すれば相応にできることが増える

本体やらソフトの改良、また上手な使い方など……全自動ではできないことができるようになる


p.s. 無字×1144

無字の数字がたまに急激な変動をすることからお察しの通り、ミスの多い作者です

話数の一桁目と長編のナンバリングがよく重なっていますが、それは意図したものです

なら、そうじゃない時は…………そういうことです

そして、それに気づくのは投稿している今

先に書いていた話が多ければ多いほど、そのズレもまた…………長くなりそうだなぁ、修正

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