死天の試練二回目 その13
アルス・ナギマ、魔導世界の秘匿存在である生きた術式。
マネキンのようなアバターを送り込んできた彼の存在に、『SEBAS』が対応する。
「……さて、俺は俺で頑張りますか」
今は『SEBAS』がセバヌスとして顕現しているため、俺は補助無しで戦わなければならない……あちらは現在、フル稼働での対応が必須だからな。
はっきり言って、『SEBAS』無しでの俺は平均以下だ。
それは虚弱さという意味ではなく、PS的な意味で。
オンゲーをいくつも嗜んできた、それらで築いたチームで代表を務めてきた。
……そういった経験とは裏腹に、純粋な才という意味で俺は酷く劣っている。
だからこそ、というわけではないがランダム選択でのプレイというのは嵌まった。
上手くいかない組み合わせ、それをどうにかする……それは人とは違うことの強硬だ。
「まあつまり、アレだ……無限コンテニューなら、何とかなるさ」
大量のアイテムを保有する俺だが、敵性ユニット内に潜む絶対アイテム壊すマンの存在により、その選択は奪われている。
不壊、あるいは破損後の回復が可能なアイテムのみで戦う必要があった。
選んだのは星具──宝玉型のアイテムに念じ、その形状を変える。
「チュートリアル武器ってのは、壊れない性質を持っているんだよな。性能としてはそれに特化している分、初心者はそれを脱したくなるわけだが……熟練者はその価値を理解しているから、結局また使うことになる」
壊れない、もうそれだけで世界の理に反する仕様だ。
どれだけ丁寧に使おうと、また繊細に保とうとしても物はいつか必ず壊れる。
だというのに、不壊の性質があればどんな扱い方をしても必ずその形を保つ。
……まあ、システム的に存在が保障されるだけであり、それ以外は違うんだけどな。
「プリセット『戦闘モード』」
数多の職業能力を保有し、それらの制御ができない俺のために『SEBAS』が用意してくれた裏技──全乗せした状態を、保てるように一纏めにしてくれてある。
職業能力はあくまで補助系、本来であれば高い能力値で用いることが前提の支援。
しかし、能力値とは別の部分での補助であれば多彩に存在する。
「──“大地は満ち溢れ、殿を守り抜く”」
複数のことを同時に、並列行動が苦手な俺は一部をオートで進めていく。
詠うは擬・武神流、コマンドに応じた動きに魔力を組み込んで戦う我流技術。
それを引き金に始まる試練。
敵性ユニットは俺を目掛けて、四方八方から襲い掛かってくる。
「……あっちは大丈夫そうだし、こっちに集中するか」
俺が狙いとはいえ、セバヌスとアルスナギマの下へも敵性ユニットは近づく。
──が、そちらは転移か何かでその場から離れることで何とかなった。
しばらくは話し合いも続くだろうし、俺の時間潰し付き合ってもらおう……打算的ではあるが、いろいろと都合がいいんだよ。
※職業能力
本編でいくつか登場しているが、それは数ある内のごく僅か
あらゆる職業にメインとなる能力、そして条件次第で獲得できるサブ能力が存在する
……が、虚弱な生産士はほぼ前者のみ(自力で条件達成&適性があるものは別)
ゲームで言うところのスキルツリー的なアレが、根元で止まっている状態
ただ、まったく育っていないわけでもないので……切り株から芽が出るようなイメージ
p.s. 無字×1127(長め、『※』まで読み飛ばし可)
書くところは違う気がしますが、割と大切(作者にとっては)なことなのでこちらに
自称偽善者に感想が一気に来ました……そんな感じです
ただ、即座の返信ができませんでした
山田武は基本、感想をいただいてから時間に余裕ができてから確認、その感想が投稿された話を確認後、誤字脱字や意見のあった部分を見て、変更する必要性を感じた場合にその辺りを修正(とりあえずなろう版は)、それから返信を行わせてもらっています……感想を送ってもすぐに来なかった、という方にはこの場を借りて謝罪させていただきます
さて、話は本題
そうして頂いた感想なのですが……ええ、超真っ当でした
いやもうこれが本当に、よくぞそこまで突っ込んだ意見をと感心してしまうほどに
駄作を駄作と突きつける、その大切さですよね……まあそういう内容です
作者的にそれらは非常に貴重なご意見でした
……盲点というか節穴というか、まあご都合主義だよな……という雑な処理を挟まないのであれば、あって当然の考え方のようなものもありました
現実とVR云々、また説明口調がどうこうやら殺人どうこう、あと不自然な部分などいろいろご指摘されました……ぶっちゃけ、納得できる内容なのでそこに精神的ダメージはさしてございません
ちなみに虚弱生産士にも当て嵌まるご意見もありました──「他のゲーマーだって検証する、ソロはパーティーに含まれない、モブとか主人公とか(偽善者とか)しつこい、なんかシャンフロ意識してる」
いやー、まったくもってその通りですね
特に最後……付け加えると、山田武は「サモナーさんが行く」も初期は意識していました……途中で諦めましたけど(マップ表示云々)
言い訳(?)をするのであれば、初めて(ノリで)書いた作品のため、細かい部分を気にせず「ぼくのかんがえたさいきょうしゅじんこう」が自称偽善者です
多少手を入れて修正しても、根本的な部分まで修正できないんですよね……あとシンプルに後付けしたのに開示していない設定が多くて説明できない、といった感じになってしまいました
再三申していますが、感想の内容そのものを作者はむしろ歓迎しています……よく言ってくれた、これをきちんと納得してもらえる形に直せれば、より良い作品になると思える意見ばかりでしたので
ただ、それをすぐに修正して反映できるかというと…………ここの無字の増加数と、ナンバリング版の更新速度を見れば言うまでもないわけで
とりあえずどこかにメモをして、それらの部分を納得できる形にしようと考えて……それを皆様の下へお届けするまでにどれだけの時間が経つのか、正直分からないところです
※
結論です
正論での貴重なご意見も歓迎します、ただし返信及びそれらの内容に関する修正(改変)が確実に行われるかどうかの保証ができません
自分に都合よく篩にかけるとか選別するとかそういうことではなく、単純に趣味に掛ける時間云々という話ですね
ただ、どういった意見であれしっかり目を通しています
なので我慢ならない指摘点などがあれば、そちらもぜひ
山田武作品をより良くする、その一助を担っていただきたく思います




