死天の試練初回 その04
死を積み重ね、学習を繰り返す。
様々な死因が俺を殺し、『死天』の試練は未だ先が見えてこない。
「──あー、そういうことなのか?」
つい先ほど、『毒殺』で死に戻った俺は初期地点で獲得した情報について話し合う。
死を突破する、という目的から逆算できる攻略方法を試していた。
「たしかに『死天』のアイテムも、これで対策はできる仕様だ。つまり、これまで生成した数分だけ同じことを繰り返すわけだ」
《適切な対処、相殺ではなく無力化することが重要なようですね》
「今回は毒だったから、解毒魔法を掛けるだけで良かった。でも、そういう方法を瞬時に見極めて対処しなければいけないのは……普通に難易度高めだよな?」
《ご安心を。判別できた敵性ユニットには、都度対処法を表示できるようにいたします》
俺以降、次代の『死天』の継承者たちがどれくらい死を繰り返すのか分からない。
だがこの試練も、条件を満たさないと実施されないはずなので相応に死んでいるはず。
それでも、俺が一番多いだろうなぁと思いながらの挑戦。
何度目かなんて覚えていない、この試練のヤバいところ──それは死の厳選だ。
「ポーションをぶつければ治せる状態異常系とか、相性のいい属性魔力を当てれば相殺扱いになる属性攻撃なんかはまだいい。問題はそういう処置が分からない、ほぼ見えない系の死因なんだよな」
そういった死因は俺が意図的にアイテムの生成を行っていない限りあまり無いのだが、だからこそ情報量も少なく、敵性ユニットとしての適切な処置も見つけられていない。
だがその死因を攻略していない状態では、他の死因を処理した後、その死因に殺されてしまい……『死天』が起動、同様の死因が増えて敵性ユニットが増えていく。
処置が容易な死因ほど、そうして数を減らすことができる。
……だからこそ、困難な死因がどんどん蓄積していく。
「まあ、今のところまったくと言っていいほどに変化は無いみたいなんだけど。数は多いからな……特に素の状態で起き得るヤツは」
死因として一番多いのは、音などの振動によるもの。
それらはだいたい影響が及ばないよう、何かに封じ込めてから倒せば無力化できる。
物理的な殺され方、またゲーム的な判断が容易な死因は多々ある。
瞬時に見極めることはできずとも、『SEBAS』がそれらを識別してくれた。
なので今できることは、もう割り切ってどうにかなる死因を徹底的に排除すること。
……そうなると残るのは、蟲毒の伝承をなぞるように困難なモノばかりだ。
※死天の試練 攻略法その01
敵性ユニットは、それぞれが『死天』によって生成されたアイテムと同等の力を持つ
触れれば即死なものが多いが、同時に脆弱性も引き継いでいる
火は水を掛ければ消えるし、毒は解毒すれば治る……よりそういった相性のようなものを露呈させているからこそ、(見せられないよ!)『死天』は成立している
無字×1110
前、さらにその前の話でいろいろと書きましたが、その結果はまだ不明な状況での投稿
次話でどうなったかサクッと書きます……いちおうサポートギリギリに含まれていたはずですし、トレンド(?)というヤツですかね




