カードバトラー 前篇
※サブタイ詐欺……というほどではありませんが、念のため
当作品において、コラボイベント時以上のTCG演出は極めて難しくあります
今回もそんな感じで、あくまで説明回です
アイスプル
機械大陸云々の出来事以降、機械関係の技術がより発展しつつある。
俺はあくまで、搭乗するタイプの機械ばかり作っていたが、『メカメカ団』は違った。
パワードスーツみたいな形にしたり、逆に複数人で運用する巨大ロボみたいなタイプ。
それらで戦うための武器や補助具など、日夜開発が行われているとのこと。
俺も負けないように、製作に使えそうな技術などを小分けに送っている。
……あくまで神代までの、頑張れば得られる技術の範疇でな。
「──【カードファイター】?」
《はい。旦那様がかつて求めました、カードゲーム『カードバトラー』を運用することに特化した『プログレス』です。発現方法は個人で異なる場合がございますが、『カードバトラー』のルールが適用されています》
「……へぇ、違うのに同じなのか。俺も誰かのヤツをインストールすれば、同じように使えるのか?」
本来の『カードバトラー』に収録されているカードだけでなく、EHOオリジナルの物まで作られていたコラボイベント。
俺もデッキを造って楽しんだものだ……理不尽な能力持ちの『騎士王』や【魔王】なんかのカードがあってもなお、勝てない本物のバトラーたちに驚いたりもしたっけ。
だがイベント終了後、カードが使えるのはごく限られた場に限っていた。
戦闘に使うこともできず、死蔵されていたのだが……状況は変化していたらしい。
《……旦那様の場合ですと、職業の変更ができないため、そちらを用いた『カードファイター』は運用できません。ですが、それ以外のタイプにはある種の制限がございまして》
「話の流れから察するに、呼び出せる存在とかそういう感じか?」
《はい。そちらのタイプの発現者の多くが、戦闘ではなく観賞用の方向で発現を願っております。そのため、旦那様が望むようなカードを用いての戦闘はできません。また、名称も異なり『カードキャスター』となります》
カードのデザインが美麗なのも、『カードバトラー』の良い点だった。
対戦はしないけどカードを集め、AR技術で鑑賞する……そんな人も多いらしい。
そういった人たちが、『プログレス』で同じことができるように願った結果なわけだ。
……誰も彼もが戦いを求めているわけじゃない、EHOの楽しみ方は自由だしな。
「戦わないで、呼び出すだけだから『カードキャスター』か……戦闘する状況になったらどうなるんだ?」
《『プログレス』での戦闘はできませんが、実体を持つ幻影として支援は可能です。成長の方向性などによっては、魔法や装備カードに限り性能を発揮できるようですので》
「……まあうん、楽しみ方は人それぞれだしな。『バトラーステージ』は個人領域なんかのプライベート空間にしかおけないし、あと『カードリアライザー』も触れはしないもんな……あー、だからこそか」
そう、ホログラムを出すだけならAR技術で可能だった。
しかし触れたり、また自分だけの相棒的なカードを用意することはできない。
……そういう細かい部分までやると、揉めると公式側できちんと判断している。
そして、それでは納得できない人々の強い想いの結晶が『カードキャスター』なのだ。
※現実におけるカードバトラー
創作物でよくある、具現化するカードゲーム
……をホログラムなどのAR技術で可能としている
昔からの根強いファンはもちろん、絵柄やキャラクターデザインなどに惹かれたユーザーが集まり人気となっている
かつて、VR関連の技術が登場したことにより、一時は衰退しかけていた
多くのユーザーが居るからこそ、過度な接触(いろんな意味で)による多くの事故が初期は多発
そんな問題を丸っと解決したVR技術、現在はそちらへと手を伸ばしつつ、いろいろと準備を整えている
p.s. 無字×1100 上記から少し続きます
アニメならばTCG物を少しは観ていた作者です
バイクに乗ってたり、鎧みたいな物を着てたり、なんか憑依っぽい演出があったり、やけにザ・カオスだけ印象深い作品だったり……
ともあれ、ああいった作品を見ていた思ったことの一つ──自我持ちのカードって、重複どうするんだろう?
被らないように設定を盛り込んでいる作品でしょうし、被ってもある程度シチュエーションを整えているとは思います
ですが、現実(?)において自我持ちのカードがあったらそんなことはほぼ不可能なわけで……
純粋に性能だけ求めるユーザーはともかく、キャラデザ重視の人たちは……絶対誰かしら被りますよね?
その辺に気を遣っているEHO版TCG『カードバトラー』(の予定)
…………ロクでもない考えを持つ人も出して、そのうえでその処理とかになるのかなぁ(遠い目)




