新機プロジェクト その23
未来シミュレーター(ガチ)を使うための鍵、その複製を依頼された『メカメカ団』と機人族たち……前払いと以降の報酬もあってか、彼らは依頼を引き受けた。
俺の持つプロトタイプのアクセスキーは、数回しか使えない仕様。
奪い合いとならないよう、彼らには頑張ってもらいたいものだ。
「案役街の力を以ってしても、複製そのものはできなかったわけですしね……」
《当時と今とでは、可能な技術の限界点なども異なっていたようで。神々の叡智、最上位職就職者による異彩な能力の数々……それらの掛け合わせがあってこそ、演算機はそれだけの性能を発揮しております》
「未来、未来ですか……【占術師】系統などはそれに含まれますかね?」
《はい。未来視の中でも、オカルト系に含まれるものです。特定の条件が発動に必須であるからこそ、理屈を捻じ曲げ道理を成すような結果を出していたようです》
創作物でも、たまにある占い師が国のお抱えになっていたりするアレ。
それだけの価値を見出されるような力を、EHOの職業システムは与えている。
高純度の触媒、定められた達成しづらい条件、そして把握しやすい未来の想定。
それらをきちんと整えてさえいれば、高確率で来る未来を正確に分かるわけだからな。
「私の手から鍵は一時的に失われました。無論、こんなこともあろうかとスペアのスペアは用意していますが……使えるか分からない代物ですからね。あれがきちんと戻ってくることを祈りましょうか」
彼らのやっていることを台無しにするような俺の台詞だが、複製方法が完全に俺……というか:DIY:に依存しているため、再現性がまったく無いやり方だ。
彼らに求められているのは、そうではない再現性のある方法の確立。
一部は『プログレス』を使うかもしれないが……まあ、そこはどうとでもなるだろう。
重要なのは、彼らがそれを星々の益となる行いとしてやることだ。
誓約書も書いた以上、それを疑ってまで干渉してくるのはさすがに問題となる。
せいぜい監督役を差し向け、経過がどんなものか見るぐらいだろう。
……これについては、割と重要だと思うので定期的にやってもらいたいぐらいだ。
「私が言葉を交わしたリーダーたち以外も、様々な『プログレス』持ちが居るわけですから。複製の方も、意外とあっさりいったりしませんかね?」
《少なくとも、彼らだけではそう簡単ではありません。:DIY:も基本は素材と加工が限度、技術的な部分は案役街側から提供されたものと用いましたので。現物があっても、それを理解できなければ再現は難しいかと》
「……となると、機人族たちが活躍するわけですか。集団の演算、これがどれほどまでに効果を発揮するのか。それを見定めるのも、今回の目的でしょうし」
星々は知っていても、今を生きる者たちは知らない機人族の真の演算能力。
スパコン以上のその能力によって、鍵は徹底的に解析されていく。
※未来予知
字の如く、未来を予め知る方法の総称
情報から推測するだけでなく、無から導き出す、あるいは常人とは異なる存在からそれらを授かることなども含まれる
今回のケースの場合、それら全部が最上位のスペックで注ぎ込まれたとんでも機械
過去に何があったのか……未来を知る機械も、過ぎ去った時を語ることは無い
p.s. 無字×1089
数十分を起きられず、デイリークエスト要素をやり損なう作者です
これがまあ悔しいのなんの……起きた時間の数分前まで、セーフの状態で受け付けていたりしますので
時間に追われる……もといセルフ縛り感がありますが、まあダメならダメでと割り切れるので大丈夫です
…………もっとも、その日一日はやり損なったよと表示されるシステムなので、目を逸らして時よ過ぎ去れ、なんて思ったりしている作者なのでした




