新機プロジェクト その19
危険視するあまり、人造大陸を壊そうとしていた逸脱した連中。
彼らを説得するべく、人造大陸への招待を行う……という台本で進めている。
結局のところ、イベント世界に住まう者たちにとって機人族云々の出来事は文字通りの遠い世界の出来事なのだ。
機人族たちの隠れ里は存在しており、住まうための星約が成されている。
種族ごとに安寧の地を得ている現状には、相応の責任と対価があってこそ。
要するに、イベント世界の機人族が関わっているからこそ、イベント世界に悪影響が出るようなことはできない……まっ、他の世界は別だけどね、みたいな状態なのだ。
だからこそ、星々は自らが遣わした権能持ちたちに、その懸念を排除させようとした。
世界同士の問題に対する意識の格差、その板挟みになっているのが彼らである。
「──ここからは、結界の中に防諜仕様も混ぜてあります。発言の方も、ご自由に」
アイスプルで様々な実験を行い、星がやっている情報収集に対する防御策を得ている。
人造大陸建造に辺り、防御も必要ということで組み込ませた結界装置。
その中に、防諜仕様の結界も入れたのだ。
人族では使えないような莫大なエネルギーが必要という欠点はあるものの、それを賄う策を彼らが持ち合わせていたからな。
「ふぅ……むしろそういう仕掛けをしてある方が、危険視されるんじゃないかい?」
「何も隠さず、明け透けな方が裏があると思われるでしょう。どちらであっても、星々はここを危険視するでしょうし」
「だろうね。ムー世界の彼らについても、かなり揉めたらしいよ。いっそ、彼らもここに住んでもらう方がいいかもしれないよ」
「…………双方の合意があるのであれば、良いかもしれませんね」
すでに様々な思惑が錯綜しており、一部の逸脱者にはムー世界から陽石や陽素関連のアイテムを手に入れるよう指示が下っている、という情報もあるし。
人質、というかここを存続させるための要因として居てもらうのはいいかもしれない。
……ただそうなった場合、滞在費代わりに陽石を要求されそうなんだよな。
「先生、これはいったい……!」
「想定していた事態です──プランCを実行しましょう」
「ぷ、プランCを!? ……わ、分かりました。先生、ご武運を!」
Aは問題無し、Bは『メカメカ団』だけで何とかできる。
そしてプランC、逸脱した連中が来るので俺が何とかするという計画だ。
なお、動揺している演技をしているのは、完全に悪ふざけの類い。
名前ややっていることからお察しの通り、そういうのが好きな集団だからな。
「彼らは何をするんだい?」
「これから来る機人族の方々に、皆様が居ることをお知らせします。人数を抑制する、ということはありません。懸念通り、機人族の方々は集めさせていただきます」
「そうかい。時間は?」
「少し掛かりますね……こうして観ていただいた通り、まだ出来立てほやほやの場所ですので。歓迎の準備はできておりませんが、どうか寛大な心でお許しください」
そう言って俺が取り出すのは、ここに合わせてメカ感を前に出した椅子や机。
そもそも反重力で浮いているそれらに、彼らも興味津々である。
次回、視点を変えてお送りします
p.s. 無字×1085
最近、またVネタが作者の中で盛り上がっています
……そういう小説を読んでいたからですね
動画を見ているわけではなく、WEB小説というところが肝
AFOの方だと最新話辺りで、VTuberがその姿でログインできるようになりました
EHOだと…………AFO次第ですね




