新機プロジェクト その18
イベント世界の『超越者:剣矢』から告げられたのは、機人族たちの危険性。
彼らが集まることでナニカが起きる、そしてそこには『機械皇』が関わっていると。
──うん、全然分からん。
おそらくシリアスな流れなのだろう。
だが本当に申し訳ないが、他の人々の思惑はともあれ、たった一つの疑いようのない事実だけは俺も知っている。
「──それでも、私たちは望みました」
「…………」
「共通規格ロジカルシリーズ、私が生み出したソレをきっかけに。彼らは挑戦しよう、より良いものを目指そう……そのためならば、今を壊し未来を掴もうと、そう機人族の方々にも伝えました」
「知っていて、そう語るんだね」
職業の中には、就職者の人数などが条件となってナニカが起こるものがある。
そもそもの就職条件がそれだったり、強制イベントが起こるものも。
……後者に【神風兵】が含まれているからこそ、就かないままなんだよな。
そして、機人族たちの集合も何かしらのイベントのトリガーとなる可能性がある。
それを懸念するからこそ、そもそも集まる場所を潰そうとしているこの場の者たち。
──逆に裏で知っていて黙っていたのは、そのナニカに関わっている者。
「では、君はどうしたい? 強引にこの場を守り抜くかい?」
「……指示一つあれば、別動隊が目的を果たすのでしょう? 私はただ、説得と交渉をしに来ただけです」
あえて俺が知っている者と知らない者が混ざっているのだろうが、知らない者がここに居る連中で全員だとは、誰も言っていないわけで……。
現に、『SEBAS』が裏で動く者たちを捕捉してくれている。
行動に移らないのは、指揮権が『剣矢』にあるからだ。
「時間を頂けませんか?」
「転移門が繋がる、その時点で終わる可能性があるのに?」
「いいえ、そうはなりません……とはいえ、その証明もまた難しい──なので、あちらに向かいませんか?」
「いいのかい? 君がソレを決めて」
「もともとこうなることは考慮していましたので。この星の危機、そうなれば動くことは必然。彼らにも、私がこのように動いた際には歓迎の準備をするべきと勧めてありましたので」
休人たちの目的は、別に人造大陸を作ることそのものではない。
機人族たちと共に集い、己の造りたい物を造れる場所を用意することそのもの。
あそこにこだわるわけではないが、イベント世界だけでなく、渡航可能なすべての世界にそんな場所は無かった──だからこそ、無ければ造ればいいと動いただけに過ぎない。
「直接その目で判断して。そのうえで、ダメだというのであれば……彼らも諦めることでしょう」
「君たちの意見を聞かず、今この場で動くことも可能だよ?」
「……お忘れですか? 私、こう見えても時間稼ぎだけは得意なんですよ?」
「ハァ……ならば仕方がない、少しでも可能性がある方を取ろうじゃないか」
と、ここまでがほぼ台本通りのやり取り。
星という御上が居る以上、それなりの理由付けが必要だったのだ──お芝居に付き合っていただいて、ありがとうございます。
……前回書いた分、今回書くことが無いですね
p.s. 無字×1084
…………時間の使い方ぁ
気づけば休みが終わっていた作者です
なお、前話の投稿日から出勤してます
祝日? 知らない言葉ですね
それはさておき、休みの日
…………起きれば10時を過ぎる、なんてことも
疲労困憊、体の所々が痛む……経年劣化かしら?
結局、仕事疲れを取るためだけの休み、なんて日々な作者なのでした




