新機プロジェクト その15
極級動力炉を稼働させるため、陽石を組み込んだ生成装置を全力で動かす。
だが、それでも動力炉は動かない……失敗に終わる前に、俺も協力することにした。
「せ、先生……それはいったい。というか、どこかで観たことがあるような気が」
「『万能手袋』、あらゆる工具として扱える我が神より賜りし神器です──それは単純な道具としてだけでなく、このように……道具の運用を最適化するためにも使えます」
もともと、昔読んだ漫画を基に想像──創造された代物。
だがそれはあくまで基礎、まったく同じ使い方しかできないわけではない。
万能を冠するに相応しく、イメージした通りの動きを可能にする手袋。
見えない糸を想像し、人形やドローンと接続し──首に着けた装置とも繋げる。
《接続完了──『統天』起動、スペックの向上を確認しました》
普段重用している『死天』や『巧天』とは違い、あまり出番が無いように思える裏五天の一つ『統天』。
だがある意味、一番使われているのはこの『統天』。
本来、もっとも多くの存在を統率してし強大な戦力を保有する休人が得る[称号]。
そんな証だからこそ、支配下の存在全体に影響が及ぶような効果を秘めているわけで。
常に運用している人形やドローン、彼らは稼働している間その恩恵にあやかっている。
「す、凄い……これが先生の力!」
「あくまで私はサポートです。皆さんの力で稼働を成功させる、それは変わりませんよ」
「! みんな、やるぞ!」
『おうっ!』
俺がやっているのは、エネルギー生成装置の修復やそこから送られてくるエネルギーの変換効率の向上、それに関するハード面やソフト面双方の改善。
玩具箱から機械の残骸を出せば、人形やドローンたちがそれを運んでいく。
同時に装置に組み込みやすいよう加工したりなど、補助から外れないことを徹底する。
彼らそれぞれに合わせたドローンや人形の使い方を、『SEBAS』が手袋を通じて命令を出すことで行っていく。
神器を経由しているからこそ、普段以上の性能を発揮している。
──『万能手袋』と『統天』の力が組み合わさり、どうにか不可能を可能にしていく。
「生成量、1億を突破! 稼働イケるぞ!」
「よし、始めてくれ!」
「『ジャンクションギア』、回せ!」
本来の稼働方法が失われている極級動力炉も、『ジャンクションギア』によって強引に繋ぎ合わせた装置を使うことで、稼働プロセスへと移行させる。
溜め込んだ膨大なエネルギーが動力炉の中で、巡りだす。
様々な装置や機構を通じ、その量は更に膨れ上がる。
これまでに必死になって制御しようとしていたもの以上の量を、数秒動かすだけで生み出す化け物染みた装置──それが今、彼らの前に稼働した状態で存在していた。
本来であれば生贄やら膨大な犠牲やら、また途方もない時間やらが掛かるものを、短期的に稼働出来ちゃいましたよ……という話でした
こう、悪の秘密結社が様々な代償を用意して……最後の最後に主人公集団に阻止される、みたいな兵器をイメージしていただけると
それぐらいはできるよ…………という話が、ここからとなります
p.s. 無字×1062
ドラクエ…………
体験版でできる範囲を満喫中な作者です
学園をチマチマやったり、強敵に挑み瞬殺されたり
どれもプレイ料金を払っていると、率先してできないことですからね……
時間だけが減っていく、ドラクエのプレイ時間(ブラウザ版)は減らないのにね♪
…………すみません、作者でした




