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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
継承の刻、天を放し窺うは機

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新機プロジェクト その14




 機械大陸 中枢区画


 彼らの計画において、最大の問題。

 それは人造大陸を維持するための動力源、その確保ができていても使うことが出来ていない現状だった。


 俺のエテーテルドライバー、そしてムー世界の陽石によって打開策が見いだされる。

 人族が力を合わせる程度では充填できない莫大なエネルギー、それを生み出すのだ。


「先生、準備ができたようです」


「分かりました」


 この工程には話し相手を務めてくれていた彼も関わるため、いったん俺たちは人造大陸に上陸していた。


「セッティングは……見た感じ、上手くできているようですね。『ジャンクションギア』の接続も、『メカクリニング』の効果で正常化できているようですし。ここに、アレを繋ぐわけですか」


「はい──『キャリーガレージ』!」


 そう言って、『プログレス』から乗り物を数台取り出す運転手。

 俺が乞われて設計したエネルギー生成装置だが、それは乗り物として製造された。


 普通に動かすことはできない……まあ、彼は諦めていないようだが。

 ともあれそんな暴走車たちの役目は、俺たちが乗ることでは無い。


 それらが並べられるのは、極級動力炉のすぐ近く。

 機人族の休人がそこへ、歯車と無数の機械の残骸を持って向かう。


「起動! 接続、頼む!」


「おう──『ジャンクションギア』!」


 そして、『プログレス』の発動を宣言。

 歯車が宙で回転すると、残骸と生成装置を取り込み極級動力炉へと強引に繋げる。


 だが、所詮は残骸で無理に繋げた代物。

 正常な機能などせず、しかし接続されたことでエネルギーの生成が始まった装置が暴走しかけている。


「修理開始──『メカクリニング』!」


「『オートナノマトン』、維持しろ!」


 それをどうにかするのも、『プログレス』の役目。

 診断および改善、そしてナノマシンによる補強で動力炉にエネルギーを送り続ける。


「供給量は!?」


「まだ5000万!」


「チッ、予想以上に暴走を抑えられん! どうにかできねぇか!?」


「修理で何とかしてみる、いっそのこと物理的に冷却でもして持たせてくれ!」


 エネルギー生成装置、その生成量については問題無かった。

 だが接続するために用いた残骸によって、供給効率が低下している。


 想定以上の時間が掛かっている影響で、熱暴走のような状態になっていた。

 このままでは、極級動力炉を稼働させられないだろう。


「──助力しましょうか?」


「先生……」


「いえ、この言い方はダメですね……私としても、この計画はぜひとも成功していただきたい。助力させてください」


「……はい、お願いします!」


 勝手に混ざると所有権とか様々な点から問題となるので、きちんと許可を貰ってから俺も参戦する。


 手始めにドローン、そして人形たちをこの場に配置して修理に入ってもらう。

 俺もまた、:DIY:以外の出来ることをやるつもりだ。


「──そうだ、これを使ってみましょう」


 使おうにも使えない、そんな代物だったために封印してきたアイテム。

 神の威光が宿る手袋を嵌め、極級動力炉に俺は触れた。



※今回出たエネルギー生成装置

『キャリーガレージ』に仕舞えるよう、(理論上は)自動車としても使える設計な装置

陽石が組み込まれており、空から降り注ぐ太陽の光から莫大なエネルギーを生み出す

今回は複数台それが作られ、半ば暴走状態まで稼働させて動力源を使えるようにする算段


p.s. 無字×1061

過去はいろいろと雑だったかな……と遠い目をしている作者です

当作品唯一の二次創作にて、現在バトルロイヤルイベント(本編でやったヤツ)が進行中です

当時、影に入る靴やら姿を隠す外套やら複数の状態異常を発生する短剣やら、そんな物を出しています

……一つ目と二つ目なんて、それこそ遺製具とか天上の世界で出てそうな感じですよね


さすがにスペック的に劣るものに(山田武的には)なりそうですけど、一瞬だろうとできることとしては据え置きなわけで……

まあ、それを言うと開拓時代がそもそもやり過ぎなんですよね

──それもそれで、ある種の理由を用意していますので、いつか本編で語られる日をお待ちください

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