新機プロジェクト その13
選りすぐりの才覚持ち。
各分野で秀でた者だけが、『メカメカ団』の各支部長になることができる。
それが『プログレス』の力であれ、逆に個人の才覚であれ。
結果を示したからこそ、彼らは今この場に居るとのこと。
選ばれた五人のメンバーで行う、人造大陸建造計画。
その第二段階、『トイポイボックス』から玩具が飛び出した。
「アレは……まさか!?」
「さすがは先生、ご存じでしたか」
「──『極級動力炉』、実在しましたか」
「偶然ですよ。別のイベントでガチャをした結果、メンバーの一人がアレを当てました。お陰で研究が進みましたよ」
動力炉、それはもともとEHO世界に存在するファンタジー的エネルギー源。
内部で魔力を増幅し、人族では溜められない量を蓄えて運用するための装置。
先に付く『〇級』は職業と同じ分類で、位が高いほどスペックも高い……あとコストも掛かるしサイズもデカい。
「上級までと違い、超級と極級の動力炉は自動修復と自己生成機能付き。大きさもそうですが、そもそも造ることのできないロストテクノロジーの産物……アレを、使うことができるのですか?」
「ガチャから出た時はアレ以上にボロボロ、鑑定しても残骸としか表示されなかったんですけど……各支部から修復チームを集めていろいろやったところ、大半の修理には成功したんです」
「……大半、ですか」
「はい。そもそも起動できない、それが一番大きな問題でした……まあ、それをどうにかする方法も、少し前のイベントで見つかったわけですけど」
要するに、陽石から手に入る莫大なエネルギーを稼働のために使うわけだ。
一度稼働できれば、極級動力炉は自らの力で生成と修理を行ってくれる。
だがそもそも、一度稼働してしまえばその場から動かせなくなってしまう動力炉。
そのためぶっつけ本番で、完成した人造大陸の上で修理の最終工程を行うわけだ。
「先生から頂いたエテーテルドライバーの試作機、陽石を用いたエネルギー生成装置。それを『ジャンクションギア』で極級動力炉に接続し、起動に必要なエネルギーを賄う。これで理論上は問題無いはずです」
「必要な量は?」
「……億単位は確実です」
魔力補正の高い種族・職業、あと『プログレス』があっても単独ではほぼ不可能だな。
遺製具、そして『プログレス』も上級レベルまで行けばあるいは……まだ先の話だが。
そういった選択肢が取れない彼らが選んだのは、貴重品を使い捨てるやり方。
俺が彼らの要望に応え設計図を描いた、陽石を瞬間的に使い潰す装置。
……イベント中に鍵の少女が封じられていたあの装置、アレもまた太陽の理を絞り尽くすためのものだったんだよな。
それを陽石版に、また今回限りでいいという覚悟を受け取り超短期運用仕様とした。
お陰で必要コストや技術を抑えることができ、今回の計画が達成しやすくなっている。
※動力炉
某作品の○竜級動力炉のパク……オマージュ版
下級(・中級[入れるか検討中])・上級・超級・極級と階級によって生成量が異なる
なお、ある枠組みと類似することから、さらに上があるのでは? と言われている
──のだがとある理由から、その存在は目を逸らしたくなるような腫れ物扱いとなっていた
p.s. 無字×1060
深夜まで起きることはできても、深夜を置き続けることはできない作者です
そこまでは設定を再確認したり、帳尻を……ゴホンッ、新たな設定を書いたりしていましたが、結局日を跨ぐと耐えられずに意識が無くなっていました
また、普段寝て(意識が落ちて)いる時間に起きていた代償か、頭痛ががが…………
素直に寝た方がいいのかしら? そう思えてくる作者でした




