新機プロジェクト その02
アイスプル
RSプログラム、そして機械仕掛けの武装の販売を始めてから数日後。
なぜか、各世界の機人族たちがイベント世界に集まりつつあるらしい。
その原因と疑われている俺に、『騎士王』から究明をするよう指示が下った。
俺が共通規格武装のデータを送ったこと、それが鍵だと思われているらしい。
「とはいえ、何にも分からないんだよな……『SEBAS』、分かるか?」
《[掲示板]、また機人族用の交流板を確認しておりますが、現状ではそれらしきものは見つけられておりません……しかし、それゆえに分かることがございます。今回の件は、休人たち主導によるものでしょう》
「…………えーっと、それはなんで?」
《どちらにも、特定の者にしかアクセスできない設定を設けることができます。しかし、異なる世界で同時に行動している以上、各世界ごとでしか情報のやり取りができない交流板では意思の統一ができません》
なるほど、だから[掲示板]という休人たちならばどんな世界に居ようとも情報の共有ができる場所が、正解というわけだ。
改めて、そう考えると[掲示板]の異常さが分かるよな。
距離の概念を超越し、知らない相手であろうと情報のやり取りができるわけだし。
「ただ、そうなると目的だよな……機人族だけでも分からなかったけど、休人が関与しているとなおのこと分からなくなる」
《休人が主導のものなのか、機人族たちの要請に応じたものなのか……それによって、原人たちの対応も変わるでしょう》
「それは、どっちの方がマシな対応になるんだ?」
《……休人主導のものでしょう。彼らに唆されたというのであれば、情状酌量の余地がございますので。彼らはそれぞれ、星の恩恵を受けて生きていました……それを変えることには、様々な責任が生じます》
思い出すのは、風兎と彼が守護していた領域に住んでいた魔物たちの引っ越し。
風兎が居なくなって以降、森だった場所に木々が生え環境的には元に戻った。
だが守護者が居なくなったからだろう。
生息する魔物が変わり、休人たちの中でも攻略難易度が変更される事態になった。
アレも一種の、行動の責任である。
機人族たちも全員が動いているわけではないが、目的があってイベント世界に向かっているのは明確。
休人たちの行動が許されているのは、基本的に彼らが不死の存在であるため。
罰したところでどうにもならず、精々がどこかの隔離施設に収容するぐらい。
そんな存在なので、彼ら同士で勝手にやらかす分には原人たちもあまり気にしない。
……が、今回は原人である機人族たちが関与しているわけで。
「こういうのは、またタクマに頼るか」
あまり休人たちとの関わりを持たない俺だけでは、分からないことが多過ぎる。
最近いろいろやってもらっているが、今回の件も協力してもらおう。
※因果(仮)
行動には結果が伴う
それは良くも悪くも
p.s. 無字×1049
眠い……そんな作者です
早起きに成功しても、眠気は消えません
話は変わりますが、あることに対する意識を改めたつつあります
……時間を優先しようとしても何も変わらないのならば、質を優先するべきと
コスパとタイパ、なんて言葉がありますね
どちらを取るのかは人それぞれですが、その比重が変わりつつある作者でした




