RSプログラム 前篇
アイスプル
試練のクリア報酬、『天賦の巧証』を手に入れた。
これで以降、『巧天』に使っていた枠に別の[称号]をセット可能になる。
そして、今後も続いていくであろう試練に思いを馳せた。
……願望機たちの力を借りれば、未来の技術者たちの規格外レシピをパクれるな!
「今後の課題を考えよう……まず、試練はしばらく間を空ける。で、その間にアップデートを進めていきたい」
『……おい、何をするつもりだ』
帰還した俺は、さっそく試練中に考えた行動に移る……なんてことはしない。
とりあえずそれを進める前に、風兎に今後の予定を相談していた。
「かねてより考えていた、いくつかのプログラムの実装。及び、今回開発したアイテムの共通規格版を様々な方面でばら撒く」
『…………影響は?』
「休人は確実に乗る。俺みたいな連中が多いし、興味を煽ることもする。原人たちはどうだろうな、瀬戸際な連中とかは手を出すかもしれない」
『違う。ここへの影響だ』
風兎にとって、重要なのは自らを慕い付いてきた民への影響。
──固有種、人族に殺されれば蘇ることのできなくなった彼らを守ることのみ。
「……一つ、固有種狩りを促すようなものがある。遺製具を出さなくなる代わりに、ソイツの根源を奪い糧とする──」
『……』
「休人しか使えない設定にしたから、各星の『逸脱者』やそれ以外の特異戦力が使うことは無い。それに……いづれは同じことになっていただろう」
『……だろうな』
擬似権能、『プログレス』による自分だけの力は特別感を人々にもたらす。
だがその中でも当たり外れが存在し、そこから脱却できる者は少ない。
そういった連中に俺が提供する、まったく新しい『プログレス』の在り方。
それが『RSプログラム』、討った固有種の力を自らのモノにできる力。
『民たちも、狙われるのか』
「RSは『プログレス』の願望由来の部分を初期化して、簒奪と魔石による強化のみに限定したある種実験的なものだ。そもそも、強くないと使いこなせない仕様だ。仮に狙われても弱い連中は蹂躙可能だろう」
『……だから休人のみか』
「それもあるな。そりゃあ『プログレス』無しでこれまで固有種を倒せてた連中なら、それもできるだろうし……まあ、一番の理由は安全性度外視だからだな。使う時は契約書にサインとかさせるし」
『ハァ……すぐには起きえぬ、そういうことか。どうせロクなものではないのだろう』
人造固有種の開発中、副産物として得たとある技術。
それを体系化し組み込んだのが、RSプログラムなのだ。
当然やっていることはかなりグレー、原人たちに危ない橋を渡らせるわけにはいかん。
……その点休人なら安心安全、というかダメでも元通りになるからな(適当)。
※『RSプログラム』
毎度お馴染みのパク……オマージュ感満載の新規コンテンツ
人造ユニーク種及び遺製具の(禁忌だよ!)、また複数の『プログレス』から(禁忌ですから!)を抽出することで、(ダメ絶対!)を取り込むことができる
『プログレス』、擬似権能の枠をソレに特化した形にすることでそれを可能としている
p.s. 無字×1035
……おかしいな、もう休みが終わりそうになっている
未だに終わっていない課題(ノベプラの方)、いつの間にか読み始めていた長編小説
い、いったい何が原因なんだ……分からない、どうしてなんだ




