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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
継承の刻、天を放し窺うは機

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巧天の試練 その04



 行うのは鍛冶、超合流星金属を片目を閉じて加工しつつ、三世界の理を秘めた宝珠を錬産術を用いて砕き、少しずつ液状化した超合流星金属を入れていく。


「……ふぅ、これで第一段階は終了」


 第一工程は超合流星金属による、宝珠の連結と加工。

 異なる世界の理は簡単には馴染まず、場合によっては反発してしまう。


 それらを上手く合わせるべく、わざと砕いた欠片を他の宝珠の中に入れている。

 熔けた超合流星金属が間を取り持ち、それぞれの繋がりを維持してくれるはずだ。


「あとは、先に用意しておいた容器をセットして──中へ飛ばす(・・・・・)だけで完成だ」


 俺が求める物に必要なもの、それは規則通りに動くための回路。

 回路を巡る動力源は確保したが、現状では密閉した容器の中にそれは入れられない。


 しかし、『マギタリアファブリク』には科学と魔力を用いた量子的転送技術があった。

 人体には使用できない危ういものだが、自我の無い物体を運ぶ分には申し分ない。


「転送先の座標設定、そしてタイミングよく液状化が解除されるようにして……あと十秒ぐらいか」


《転送はこちらにお任せください。旦那様は液状化の維持のみをお願いします》


「頼もしい、それじゃあ任せた」


 容器の中は予め、回路のような形で隙間が設けられている。

 そこに寸分の狂いもなく、液状化した金属と金(属)継ぎをした宝珠を投入していく。


 ただし、それは打つことを止めればすぐに固体に戻ってしまう超合流星金属を液状化させたまま行わなければならない……が、俺には『SEBAS』が居るので安心だ。


《カウントダウン──3、2、1……》


「──0!」


 タイミングよく俺はその場から離れる。

 同時に、超合流星金属が一瞬光りその場から消え──転送が完了した。


 それを示すように、容器が突如として光を放ち回路を内側から照らし出す。

 指定した通りのものが出来上がっているのか、自分の目で確かめる。


「……問題無いな。よし、成功だ!」


《おめでとうございます》


「レシピ名は……『規格外エテーテルドライバー』にしよう。あとで規格外じゃないヤツも作る予定だし」


 宝珠化した星の理なんて材料を、一般人が用意できるわけが無いからな。

 少々ダウンサイズしたものを、あとで設計してばら撒いておこう。


「魔力さえ大気中に存在すれば、それを取り込んで膨大なエネルギーを生成。専用のデバイスでそれを扱えば、人外染みたスペックを誰でも発揮することができる……問題は、それを扱う術が無いってところだな」


《旦那様、では……》


「そうだな。もう一個造ろう! 今度はこのドライバーを使う側の武器を!」


 とはいえ、すでに構想は出来ていた。

 かつて見た本物、そして『超越者』により鍛えられた限りなく本物に近い偽物──俺は今日、それに挑む!



※裏話:エテーテルドライバー

名前からお察しの通り、紆余曲折の果てに辿り着いた

段ボールの中で戦うロボットだったり、神ゲーのロボの動力源だったり

秀逸な名称はもうほとんど出尽くしているわけで……折れました

エーテルで、エターナルなドライバーです……リアクターとかサイクラーとかの方が良かったかなぁ(遠い目)


p.s. 無字×1030

オンゲーにて、ようやく大魔王に就任した山田武です

覚醒した勇者との邂逅時は、露骨なフラグに一人ツッコミを入れていました

……基本、プレイするのが無料期間だけなのでストーリーが全然進まないんですよね

スキップできるこのご時世ですが、きちんと楽しみたい派なので飛ばせません

その割にサブクエなどは全然できていない……普段は盗賊な山田武でした

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