ムー襲来イベント後篇 その22
影を操り、イベントの最終ボスを演じている俺です。
なお、中に仕舞っている『侵略者』が本来のボスだったりする。
……先んじて『SEBAS』が出現地点を予測し、エクリがピンポイントで捕縛した。
影空間内で俺の対『侵略者』アイテムを使い尽くし、HPの調整をしてある。
「プログラム指定──『対休人ドクトリン』で『ギフチャージ型』を起動」」
アイスプルにおいて、人造のユニーク種たちに人権というか生物権は存在しない。
一度俺に殺され、そのうえで蘇生されて星の管理者権限を用い従属させられる。
特殊能力を含まずとも、何だかんだ強いユニーク種の動きを記録した“影真似”。
中でも、死んでも蘇る休人への対策を組み込んだのが『対休人ドクトリン』である。
「まあ、影が光を出すのは理論上不可能なわけなんだが……意外と何とかなる辺り、職業システムって凄いよな」
適性絶無な俺でも職業能力でなら魔法を最低限使えるのと同様、[ギフチャージ]という光属性の極致みたいな個体の能力も、部分的に“影真似”は再現できた。
相応の時間や理屈の理解、そして触媒というか外部コストとなる影の量。
そういったものをきちんと整えれば、割と理不尽なことができる……そんな能力だ。
「普通は影の領域を広げるなんてことはできないから、影の量辺りで苦労するんだが、それができちゃうからな……得てして、成立したシナジーなんだよな」
ともあれ、そんなこんなで化け物みたいなコンボが出来てしまった。
休人たちが必死になって戦っているのも、俺の匙加減でいつでも終わらせられる。
最後の一撃だけは、いろいろと工夫を凝らさねばならないが……やるしかない。
こうでもしないと、本当に【太陽皇】が無双してトドメを刺す展開になってたし。
というより、それが本来運営側として想定していた終わり方なのだろう。
休人たちがムー世界の人々と力を合わせつつ、最後に最高戦力の一端を魅せる。
実際にはその更に上がいる、というところもポイントだな。
……が俺のプラン的には不味かったので、少しばかり細工をしている。
《旦那様、来ます》
「おっと、“万闇統一”!」
それは【太陽皇】による攻撃の合図。
放たれた太陽の威光を……防ぐことはできないため、一時的に侵略者を影の領域に沈めて回避させ、攻撃終了後に再び戻す。
すべての影を、陰をも消し去るほどの光量なのだが、『光喰い鳥』で影を少量確保。
少しでもあればそこから復旧可能、理論上は何度か攻撃を受けても耐えられる。
「反応はどうだ?」
《やはり、【太陽皇】による攻撃が通じないというのは民たちにとって衝撃的なようですね。観測可能なHPゲージに、何ら変化が無いというのも良い塩梅となっています》
何度か抵抗するだろうけど、それを全部無効化して処理。
休人たちのダメージだけ通……したことにすれば、イイ感じに終えられるな。
なお、この際“至行”もきちんと使用。
万が一、侵略者が陽素への適応を捨てて代わりに現状打破を目論まないよう、継続的に陽珠をチラつかせその可能性を破却。
これにより、存在していた【太陽皇】によるラストアタックの可能性が消滅。
俺も知らない休人の誰かの攻撃に合わせ、侵略者のHPを0にして戦いを終わらせた。
※続・【影法師】
割と理不尽なことをやっている
東方系の魔力使いだが、イメージ的には属性系の【魔法師】と【揮士】(風兎の【風揮士】など)を足して割ったもの
システム由来で強い魔法をバンバン撃てる前者と、それらが無い分自前で用意した現象に補正を掛ける後者
それらが合わさったのが、魔力で現象を増幅して操作できる【〇法師】(の予定)
なのでシステム的に言えば、その職業系列でしか使えない専用の魔法も無く、また現象自体に補正が入るわけでもない中途半端な…………というわけでもなく、使いこなすのに苦労する熟練者向けの職業
今回の場合、ほぼオート操作だったからこそ素人でも何とかできた感じ(無限コンテニュー)
p.s. 無字×1019
といった上記の内容を、即興で書いていた作者です
整合性を保てる優秀な作者様ならともかく……ねぇ?
こういった場合、質疑や指摘で修正を加えていただけると助かります
某作品宜しく、属性を色で例えようとしたらそれはそれで限界になったり……
【影法師】スタートで他の【〇法師】を考えてみようと思ったけど…………
えっ? 琵琶法師しか思いつかない作者って…………




