ムー襲来イベント後篇 その06
ドローンだけを転送し、情報を集める。
世界間を渡るようなことも、星の管理者権限があればできてしまうわけだな。
「アレから一日……まさか、ここまで情報を集められるとは。いや、この場合は休人たちが頑張った結果なのか?」
ドローンは休人原人問わず、光学迷彩や付与した隠蔽術式によって認識できない。
なので知られぬようあちら側に干渉はできず、あくまで情報収集をメインとしている。
だが休人たちは積極的に動き、目的を果たそうとしているようで。
ムーの人々と交流し、手助けをし、信頼と信用を勝ち得ていった。
ドローンが映した範囲だが、そうして休人たちは受け入れられている。
どうやら、休人──『星渡りの民』が居ることは忌避とならないらしい。
「その辺どうなんだ? 普通、異世界から何度死んでも蘇る連中が来たら、警戒というか手放しに歓迎とか無理じゃないか?」
《そも、前提として『星渡りの民』という存在は職業やスキルのシステムと同じレベルで当たり前という認識がございます。星を渡るがゆえに現れるのが稀、一度訪れればしばらくは居る……そのような扱いです》
「これまでは居なかったけど、これからは来る。それ自体は嫌じゃないのか?」
《誰も彼もが肯定的、というわけでは無いでしょう。しかし、彼らの参入は良くも悪くも変化を生みます。現状を憂うムー世界の者たちであれば、多くが受け入れるでしょう》
「…………その後がどうなるのか、気になるところではあるな」
ムー世界はたった独りの支配者が、世界すべてを統一している。
価値観や政治制度、文化やらも全部が偉大なる【太陽帝】によって決まっていた。
現実で知られているムー大陸の情報同様、そういったムー世界の事情が[掲示板]やドローンに映る世界情景に残っている。
「統制された世界において、変革は起きがたいもの。不服不満はそれを当たり前だと思うからこそ、そもそも生まれない……それを生み出す不和の種、なんて捉え方もできなくはないんだよな」
《はい。しかし、理解しているのでしょう。それゆえに、自らの世界が遺失世界であることを。それゆえに、鍵を──星の命すらも賭け皿に載せ、他の世界との繋がりを求めた》
そう、鍵の少女たちの正体は星そのものとも言える化身。
冒険世界が端末とした、【星賢者】とは違う……星自体が意思を宿した存在だ。
遺失した世界は外部との繋がりが絶たれるが、その例外が複数存在する。
星の権能持ちだったり、特級職だったり、あるいは……星そのものだったり。
アレだ、無線が届かないなら有線で繋げればいいというヤツ。
星の化身──鍵の少女たちは、外の世界でその渡航権を配り、自らの世界へ招くのだ。
まあ、昔流行ったと言う異世界召喚の中でも復興メインのパターンである。
ちょうど滅亡世界がやっているのと同様、ワールドクエストを出したりしてな。
※【星賢者】/『鍵』
どちらも星が存在に関わっている
前者は端末、要はコントローラーで操作している感じ
後者は接続、本体が着ぐるみの中で動かしている感じ
とはいえ、星と人が同じ存在なわけないので、あくまでイメージ
……なお、篝やら良い記憶やらは関係無い……本当に本当
p.s. 無字×1014
喉が痛くなった作者です
なぜでしょうね……ただエアコンのずっと効いた部屋に居ただけなのに
熱中症対策と称して、部屋を冷やし続ける作者
……まあ、入院やら搬送をされるより安上がりですよね?(薬代込み)




