ムー襲来イベント前篇 その25
イベントの前半戦が終了する。
その最後にて、救出されていたムー世界の鍵を秘めた少女……彼女はカプセルに入れられ、渡航の権限を引きずり出されていた。
「……というわけなんだよ。二人とも、これについてどう思うかを聞きたい」
「「…………ひどい」」
「そういう感じになるのか。うん、だけどどうやらこれが本当にあったみたいなんだ。君たちの世界を渡れる力は、休人たちにとって魅力的過ぎる……君たちの負担にならない範囲で、何か方法を考えた方がいいね」
現状、特定の条件を満たした者しか発行されることの無い渡航権。
入るための条件もそうだが、今回の侵攻的には出るために必要だった条件の達成。
それを満たせない、だがそれでも外に出たいという住民たちの抗いの結果。
それが強引にでも鍵の少女から、その力を引き出すという方法なのだろう。
だからこそ、俺はアイスプルで匿っている鍵の少女たちに今回の出来事を話した。
同じように利用するためではない、今後そういったことが起きないようにするためだ。
「君たち二人には、俺にやってくれたように渡航権を付与できるようにしてほしい。でもそれは、無理をしてほしいわけじゃない。むしろそうならなくていい方法を、いっしょに模索してほしいんだ」
「「?」」
「だって、その方法が見つかればあちらの子にそれを使えるようになるだろう? そうすれば、もうそんなことしなくてよくなる。でも、俺たちのこれまでのやり方だと方法は見つからない……方法を変えないといけない」
例の情報を聞いてから、確保した軍艦を俺たちも調べてみた。
すると、それらしき……鍵の少女の渡航権に関する装置を発見したのだ。
それ自体は同期を行い、例の軍艦が開いた渡航先に同行するためのものに過ぎない。
本来ならソレではなく、休人たちに必要なのはそちらにあるであろうメイン装置だ。
だが俺たちに必要なのは、むしろその同期する側の装置だろう。
なんせ、俺自体が権限を付与してもらえる側なので、それを拡散できればいいしな。
「──というわけで、俺に付与できている権限を他の人でも使えるようにしたい……無制限に使わせると悪用されるかもしれないし、制限は設けてね。出来ると思うかな?」
「「……うーん」」
「できるとは、思う」
「でも……難しい?」
「ありがとう、やる気が湧いてきたよ。できるならやり遂げる、これまでもそうやって来たからね」
可能だというならば、:DIY:の恩恵でその仕組みを確立させることはできるはず。
装置自体は俺の下にあるのだ、その応用も何とかなる……『SEBAS』が居れば!
「というわけで、任せたぞ」
《畏まりました》
こうして俺は後半戦が始まるまで、ムー世界の産物を調べるために時間を使うことに。
そして、後半戦の開催日──休人たちは、ムー世界へと旅立つのだった。
というわけで、次話からは後篇突入!
すぐには向かいませんが、ムー世界でのイベント進行となります
……侵攻じゃないよ?
p.s. 無字×1017
毎月恒例の日となりました
催眠術師とチャットアプリを投稿してあります
前者は新キャラ、後者は懐かしい(?)キャラが出ていたりします




