ムー襲来イベント前篇 その07
精霊たちを道標として、魔物に襲われていた子供を見つけ出すことに成功した。
……少しばかり心に致命傷を受けつつも、山人族の隠れ里に戻ることに。
「あの……ご、ごめんなさい!」
『いいってことよ。それよりどうだ、もう俺たちのことは怖くねぇか?』
「うん、全然怖くない! おじいさんたち、ありがとう!」
『おう!』
長命種な彼らからすれば、普人の子供はそれこそ赤子のようなものだろう。
里に戻ってきたところ、山人族たちが入り口で俺たちのことを待ち構えていた。
精霊たちでこちらの様子は見ていただろうが、やはり実際に見て確認したかったのだろう……そして現在、子供はたくさんのお菓子に囲まれ幸せそうな顔を浮かべている。
彼らに技術再現を頼んだものの中には、飲食物の量産ラインもあったからな。
貿易用に菓子なども作っていて、今回はそれを振る舞っているわけだ。
──その後、お腹もいっぱいになって眠くなった子供はそのままダウン。
壮絶な戦い(酒飲み)に勝った夫婦が、しばらくの面倒を見ることになり運ばれた。
「翻訳機は後程、複数個ご用意しますね。おそらく、今後も使うでしょう」
『おう……どうやら、海岸の方は大騒ぎらしいからな』
「休人たちが今は防衛しておりますが、あちらもまだ手を抜いていますからね……なんせ艦隊の武装は用いれど、彼ら自身は前に出ず一方的に攻撃しているだけですからね」
戦闘職向けの対宙軍戦。
陽素を収束して放つ様々な攻撃を捌き、艦隊に攻撃しなければならない──なお、バリアが張られていてダメージはほぼ無い。
完全無敵というわけではなく、滅茶苦茶耐久度が高いだけ。
おまけに自動回復するので、壊した後にすぐバリア装置を壊さねばならないらしい。
その辺の苦情が、[掲示板]に挙げられスレが加速的に消化されていた。
……なんか、キーシが[壊天]で無双しているなんて情報も流れていたそうだ。
「何とかなりますかね」
『んー、まあどうとでもなるな。生産職でしかない俺でもそうなんだから、他の連中ならもっと楽勝だろう』
「いえいえ、『造鎚』さんは凄いですよ? 私では、[アドヴェンス]の擬似星剣など作れませんし」
『あれ、結構苦労したんだからな。アレと同じのをまた作れって言われても、普通に嫌だからな!』
星の力を秘めた剣、俺も星具自体は作れるのだが素材のスペックによるごり押し。
その点、『造鎚』のソレは権能の補助はあれどもほとんどが技術によるもの。
再現は……まあ、できるのだろうが、質という観点で圧倒的に劣ってしまう。
なんせ、『最強化』なんてヤバい力だ……むしろどうやって再現したのやら。
※山人族のお菓子
──よく合うのだ
そのため豊富な種類が作られるようになり、他種族と(主に酒で)貿易を行っている
p.s. 無字×997
ノリで書くとロクなことにならないな……困惑させてばかりの作者です
皆様からの質疑によって、山田武自身もまた世界観設定の造形を深められております
おかしい、と思う点や気になる点などは感想などにお送りください
ニョキニョキと設定が生えていくと思われます




