襲来イベント予告 後篇
アイスプル
タクマから、次のイベント情報を聞いた。
様々な事情から独占状態になっていた遺失世界、それらと同じように幻想大陸の名を冠した世界──ムーが襲来するらしい。
《開催地はイベント世界、いくつかの場所から同時にムー世界の住民が現れ、それぞれ異なる方法で対処することになるようです》
「これがイベント名の『襲来』の要素ってことだよな? 場所によって違うのが、それぞれの対処法ってわけか」
《そのようですね。生産職、戦闘職などでオススメされる場所が違っております。設定としては、やはりムー世界側でも他世界との交流方法に差があるのでしょう》
「……まあ、元ネタとまったく同じってことにはならんか。トップが不老でもない限り、いつかは代替わりがあるもんな」
とあるソシャゲでは、もしもの世界の一つに世界統一をした初代皇帝が死なずにずっとトップのままという設定があった。
現実で調べたムー大陸も似た感じで、神の化身である帝王によって、あらゆる文化が統一された場所だったとされる。
少なくとも、統制された状態であればわざわざ分けるようなことは無いだろう。
このことから、世界のトップは初代からそのままでは無いということが分かる。
「まあ、神の化身なんだから帝王の座から降りても影響力を残して生きています、みたいな可能性も無いわけでは無いんだが……それはそれで、イベントの盛り上がりに繋がるんだろうな」
《今回のイベント、旦那様はどのように動かれるので?》
「移動先でまあ、ムー世界側のスタンスが違うという仮説が正しいとする。そうなると、侵略派と友好派が戦闘職と生産職の違いになるよな? ──直接潜り込むのはどうだ?」
《不可能でしょう。旦那様もご存じの通り、遺失世界への転移は鍵となる存在による認可が必要です。あちら側は今回、それを何らかの形で満たしてイベント世界に現れますが、その逆はできません》
「まあ、それはよく知っている」
どうにかして、他の者でも遺失世界に入れないかという検証は済んでいる。
協力的な鍵の少女二人に頼んでみたが、やはり俺以外を通すことはできなかった。
例外な手法も編み出せてはいるが、少なくとも休人や原人には適応できない方法だ。
なので彼らの通ってきた道を通じて、そのまま潜り込むというのは難しい。
「…………真っ向からはともかく、他の方法ならどうだろう? たとえば、完璧な成りすまし……とか」
《最上位職や『プログレス』であれば、可能かもしれませんが……果たしてそれは、予期されていない方法なのでしょうか?》
「まさか、それをやった場合の何か対策が準備されていると?」
《単純に、戦闘力に欠けても隠密行動に長けた者が向かうというのであれば、問題は無いでしょうが……旦那様やタクマ様の言っていたという実力者たちを想定していれば、かなりの難敵が配置されているのでは?》
「…………いづれにしても、ムー世界に入るプロセスはあるだろう。なら強行突破は他の人に任せて、俺はゆっくりとイベントを楽しむとしますか」
遺失世界の醍醐味は、まったく異なる世界だからこそ存在する未知の技術。
元ネタのムー大陸も、高度な技術を有していたとされるし……楽しみだな。
まだ始まりません
もう少し準備をしたあと、イベントが始まります
p.s. 無字×987
目を覚ましてから再起動までに、物凄く時間を掛けた作者です
……深夜に起き、二時間ぐらいボーっとしていました
そこから更にログボマラソンのようなことをして、結果三時間の経過でしたね
すぐ寝る、起きれない、起きても動けない……やはり糖か、糖を何とかしなければならないのか?




