錬金チャレンジ その27
人造人間を巡る戦い、その最後はとんでもない禁忌の塊が登場して終わった。
倫理観ぶっ壊れ、『忌創展概』の人造人間が全部を掻っ攫っていったよ。
「……まさか、イベントが終わった直後にまたアナウンスが来るとは。用が済んだら即排除、という流れですかね」
やはり、『星宝級職人』という最高戦力が居なくなったのも理由の一つなのだろう。
居ないからこそ他を総動員、という体裁で露骨な通報をすることができるわけだ。
再び入星直後と同じように、星敵が現れたことを通報された。
……また、俺の居る場所になぜか光が降り注いで、意識を向けられてしまう。
来た時と同じ方法──隠密行動が取れなくなり、また追跡に特化した休人たちが俺を捕捉することでその逃亡難易度は上がる。
だが温情があるとすれば、街の中に設置された『門』は正常に作動していること。
……というか、さすがに呼ぶだけ呼んで封鎖するというのは問題となったのだろう。
「まあ、今回は普通に転移ができたから別にいいんですけど……さて、ここからどうしましょうかね」
最初の方は禁止されていたのだが、時間経過で使えるようになっていた。
その間は普通に死んでは蘇りの繰り返し、休人たちも躍起になって攻撃していたな。
たとえ俺を討滅できずとも、いろいろと利用する気だったのだろう。
実際、なんやかんや肯定派も否定派も団結して俺に攻撃してきたし。
転移はできて、会場からの脱出はできた。
しかし休人たちの猛追は留まらず、星敵討滅報酬を求めて俺を攻め立ててくる。
街への通路は封鎖され、空間も何やら手を入れたようで。
短距離での転移は可能であっても、『門』のすぐ近くへ飛ぶことができない状態だ。
「ふむ、そういえば先ほど『忌創展概』さんはお見せしましたが、私の方はまだ見せておりませんでしたね……いいでしょう、せっかくの機会ですし、お披露目といきましょう」
短距離転移で空へ移動、休人たちの視線が向けられる中──背後に[インベントリ]を展開、中から取り出す一体の人形。
純度100%の人造人間では無いし、かといって『忌創展概』のようにその気になれば大量に用意できるものでもない──使われた素材から、一点ものだと定められた存在。
「起きなさい──『贈叮人形』」
現れたのは全身真っ白な少女の人形。
髪も肌も、身に纏うドレスもすべてが白で構成されている。
エクリの姉妹であり、これまで封じていた遺製素材を用いた人形の一体。
その恐ろしさ、そして高みを彼らに味わってもらおうか。
名前で分かる人が大半……のはず!
p.s. 無字×982
読書に再び呑まれ、予定がズレる作者です
……少しの間、読まないで放置していた作品、続きを読んだらつい読み切ってしまいました
一度読まないで放置していると、なんだか溜まりに溜まってしまいますよね?
でも、一度読んだら止まらない……面白いけど、時間が無かった、そんな感じの物がいくつもある作者でした




