錬金チャレンジ その03
様々な形で俺の役に立ってきた『天』を冠する[称号]たち。
本来受け継がれていくものを独占し続けた結果、殿堂入り扱いにされるらしい。
「で、その殿堂入りのメリットは?」
軽く目を通しただけで、詳細はまだ把握していない。
困ったときの『SEBAS』頼り、解説を聞いてみよう。
《条件となる試練をクリアすると、[称号]から該当の『天』が喪失します。代わりに、同等の効果を発揮可能なアイテムが与えられるようです》
「……装飾具で枠を使うのか?」
《いえ。そういったものもなく、所持しているだけで効果を発動可能で、そのオンオフも切り替え自由なようです》
「装飾具でもなく、[称号]の枠も使わないのか……それはそれで、また殿堂入りした奴らの強さが極まりそうな気がする」
まあ、たしかにそれは有用だ。
俺の場合、『超越生者』の効果で[称号]枠が複数存在するし、『天』の一つも枠を消費せずにセット可能になっている。
だが普通はそうじゃないし、一部の職業に就いていないと枠は増やせないのだ。
割と有用な効果が多い[称号]を活かし、アイテムとしてそれができるのは大きい。
「なら、やること自体は別にいいのか。その試練とやらさえクリアできるなら、だけど」
《内容は不明。また、各『天』ごとに異なる試練が設けられているようですね》
「そりゃあ、表でも『闘天』と『巧天』で同じ内容なわけ無いしな。まあ、内容については家族から聞けば分かるか……で、試練はどうすれば受けられる?」
《イベント世界の闘技場のようですね。申請すれば、いつでも受けられます》
「なら、まずは確認だけ。で、できるならたぶん一発でクリアできそうな『巧天』をやって検証を澄ませる」
滅茶苦茶調子に乗っているが、:DIY:様が居る以上それは変わらない。
まあ、使えない状況なら分からないが……使えるように失敗、ということは無いはず。
「……ただ、鉢合わせとかするのは少し不味いな。誰かからこの話を聞けば、ジンリ側も手を打つんじゃ……」
《旦那様はVIPとして、前回の闘技大会のように申請を行うことが可能です。そして、その情報をジンリ様は握っているでしょう。なので余計なことはせず、枠が空くことで生じる変化に注目すると思われます》
「そういうものか……ああでもそうか、殿堂入りってことは新しい頂点が誕生するってことだし。強力無比な『天』、そしてズレてまた一つ空く『匠』の方も含めていろいろと争奪戦になるわけだな」
なお、まったく会話に出していなかった、ほぼ同じ内容の効果を持つ『匠』。
こちらは定員が1人じゃないので、俺より上の誰かが『天』への資格を得るだろう。
昔と違い、『プログレス』によって個々での差が大きく広がっている。
各分野で特化した人材ならば、俺よりも優れたヤツなどいくらでも居るからな。
ということで、今回は補助役です
……うーん、補助役?
p.s. 無字×959
少々急いでおります作者です
……そんなわけで、これに失礼!




