錬金チャレンジ その01
そろそろ、職業レベリングを再開しようかなと思う今日この頃。
その過程で人造人間を製作してみようと考えてみたが、それは禁忌だと思い直した。
「──というわけでして。何かいい方法はありませんかね? あっ、濃縮液出来ました」
「……それが有ったなら、私がああして時を待つ必要も無かっただろうな。それはこっちに移してくれ」
そんな俺が訪れたのは、その人造人間を先に造り上げた──張本人、元『錬金王』。
その権能は弟子である人造人間に譲ったものの、錬金自体は止めていない。
本日は彼女の手伝いをさせてもらいつつ、情報を対価として貰うことに。
いつものように:DIY:を……とはいかないが、他の方法で質を高めながら。
「【生産勇者】だったか……製作したアイテムを何であろうと強化できるとは。職人としては、喉から手が出るほどに価値があるな」
「とはいえ、【勇者】を前提としていますので、純粋な職人が得るのは難しいでしょう。また、純粋な職人でなければそうでない部分から【勇者】は覚醒を果たすでしょうし……ほぼ不可能では?」
「その不可能を果たした当人に言われても、あまり実感は湧かないがな」
戦闘関連の能力が撤廃され、代わりに生産補正がチート級となった【生産勇者】。
就けるヤツ、この先現れるのだろうか……少なくとも普通のプレイじゃ無理だろう。
そんな会話をしながらも、彼女の作業は続いていく。
作った液体を移した先には大釜が一つ、彼女はそれを掻き混ぜながら会話を行う。
「さて、先の件だが……方法は、ある」
「……あるのですか?」
「すでに一度経験したのだ、ならば次を考えるのは当然だろう? エリクサーや時止めの秘薬に頼らず、そのうえで製造する方法はもうできている」
「えっと、それは禁忌に触れて…………いるのですね」
問おうとした言葉は、彼女が浮かべる笑みに掻き消された。
たしかに彼女は権能を失った、だが代わりに得たモノがある。
「コレを使い、検証はすでに済ませてある。本来であれば最上位職でなければ許されない人造人間の製造、それを誰でもできるようにする…………ふふふ、面白くなってきた」
「…………なんでしょう、大罪の片棒を担がされている気がしてきました」
少し離れた場所で補佐をしてくれていた人造人間の『錬金王』ユリル、あの娘の目が物語っているんだ──もうダメです、と。
「いろいろと情報は回っているのだぞ? 休人たちの中には、理想の女性を欲さんと人造人間に手を出そうとしていると。ならばよかろう! この私が、そして『生者』がそれを叶えてやろうではないか!」
「…………あっ、確定ですね」
そんなこんなで、俺は元『錬金王』と共に人造人間の安定した製造方法の確立に挑戦することになったのだった。
そんなこんなで、生命の冒涜を始めました
最上位職に就けばレシピを獲得できますし、かつての就職者がその情報をばら撒いていたりします……が、禁忌ですので
できるとやるは違います、そして元『錬金王』は両方だった、それだけです
p.s. 無字×957
神聖術式の出力増加、で質問が来ていた作者です
特に理由はありませんが、この場でも適当に書いておきます
山田武作品の場合、術式と名の付くものには何かしらの制限があります(今決めた……変わるかも)
基本は出力、×ラを出してもゾーマやガイアにはならないようになっています
神聖術式の場合、出力増加の前にそもそも神族側から提供される結果に制限が掛けられています
分かりやすい例だと蘇生──神様ならどんな状態からでもできそうですけど、まあやりません
先の魔法で言えば、リクはやらずに精々ラルとなります(人族版はザ才)
そして、そこに職業補正で出力増加が関わったところで、精々蘇生後のHPが少し多めになるぐらいです
蘇生率の向上ではありません、どれだけ高めても微々たる増加ですので
そして、その蘇生をどれくらいやるか、神族側では上限を決められず、あるルールに基づいてやっているわけです
それこそが、祈る側……レベルだの提供量だの祈りの純度だの、そういうあれやこれやで発揮される効能に差が生じるわけです
『プログレス』によるインストール版は、それが初期状態から始まります
いきなり聖職者と同等の効能は発揮されません、いろいろと準備が必要です
──なんて感じの返答を、普段は感想欄でやっています
作者的にも考えることでいろいろと発想が膨らみますし、聞いた側も微粒子レベルに疑問に思ったことを解決できて満足──WinWinな関係です
そう、ここまではすべて宣伝だったのです!
しょうもないけどちょっと気になること、矛盾し過ぎていると作者を問い詰めたいこと、ぜひともご投稿ください!
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