神聖インストール 後篇
冒険世界 始まりの街
失名神話のの神様経由で、『プログレス』に神聖術式をインストールできるようになったと方々に広めてもらうことに。
対象は他の神話、そして俺も直接の繋がりは有していない運営の皆様方。
その気になれば連絡もつくのだが、やはりあまり密接な関係というのは良くないしな。
「……なるほど、そういうことか」
「はっきり言って、今回はごく一部を除いて誰も損しないからな。損をする連中も、その上司から命令が下っているだろうし、つまりみんなWinWinなわけだ」
誰でも神聖術式が使えるようになる。
というのは、さすがに世界レベルで問題になったようで……出頭するよう『騎士王』に言われ、いつもの場所へ。
俺も自分では確認できないその影響を知りたかったので、こちらの事情を説明しつつ、把握している変化を聞いていこうと思う。
なお、損をした連中とは当然元から神聖術式が使えた聖職者たちや一部の加護持ち。
まあ、彼らと同等レベルで使うことはできない……適性を無視した使用だしな。
「ふむ……たしかに、神殿からは伺いが立てられているな。だが神聖術式という独占技術が奪われたのだから、仕方がないと思っていた。その例の技術、貴公はどういったことに使うつもりだ?」
「特に決めてないけど、まあわざわざ武器とかにする必要は無いよな。強いて言うなら、俺の信仰稼ぎだ」
「……【現人神】として、自らの概念を定めたのか。それで、何の神となったのだ?」
「試行、トライ&エラーだな」
「…………」
俺が種族として、いちおうは【現人神】であることを『騎士王』は知っている。
だがさすがに、どんな神となったのかまでは分かっていなかったようだ。
「……試行、だと?」
「そう、試行。だから俺の神聖術式は、小さなミスを無くせる仕様になっている」
「…………我らのプログレスには、搭載できるのか?」
「ん? まあ、できるぞ。あくまでも、神様の方で許可さえ下りてれば、誰でも使えるのが今回のプログラムだし」
権能を有する逸脱者連中に、擬似権能である『プログレス』は使えない。
だがただの装置として、[メニュー]を使うアイテムとしてなら彼らにも配っている。
追加で機能を搭載できるよう、空き容量は残してあった。
そこに神聖術式を入れる用のプログラムをインストールすれば、使えるようになる。
「神聖術式か……試してみるか」
「『騎士王』が使うってなると、どんな神でもOK出してくれるんだろうな。切り替えは後からできるし、自分にピッタリなヤツを見つけてみてくれ…………その貢献で、俺への恩赦も頼むぞ」
「ふむ、検討しておこう」
どちらについて言ったのか、それは分からないまま。
ただまあ、俺の神聖術式も意外と何度か使われているようだし……今後に期待だな。
と、いうわけで逸脱した連中も強化されます
全員が全員、それを用いるかは別ですけども
ただ、彼らの制限版『プログレス』は容量の関係でそこまで重たい術式は入れられません
──なので、非常にコスパが良いものを選ばざるを得ないんですよね…………
p.s. 無字×949
とりあえず、AFO五章のナンバリング版を少しずつ出していきます
カクヨムで公開されている分、あと+αとなるはずです
全然進まないんですよね……おかしいな、読書しているからかしら?




