現人神 後篇
対して役に立っていない、自身の種族である【現人神】。
それを有益なものとするため、一先ずは自身が何を司る存在か定義付けることに。
「──星の神、とかでいいかな?」
『不敬だろう』
「けどなあ、別に他の神話と争っているわけじゃないし、何より失名神話の神々の信仰を邪魔するわけでもない。今回重要なのは、神聖術式の利用ただそれだけ。むしろ、誇張した方が後の使い勝手がいいんだよ」
『……むぅ』
神聖術式は神の威を借りて使うもの。
仮に俺の神威であれば、担当事象の拡張性が神聖術式にも繋がってくるのだ。
神様として宗教を始めるわけでも、ましてや神話に名を連ねたいわけでもない。
そこまで考えれば、見栄を張るぐらいしないといかんだろう。
「まあ、ただ星と言っても定義付けが難しい気もするからな。いっそ、そこまで行けばもう世界の神とかでいいのか?」
『もう知らん、好きにしろ……普通ならば、自らの格に耐えられず崩壊するだろうな』
「そういうヤバいことは早めに言っておいてほしかったけどな。まあうん、今更変える気も無いし──決定っと」
選択方法は簡単、[ステータス]欄にこれまで『(-)』表記で無記入だったところへ『(世界)』と打ち込むだけ。
するとあら不思議、たったこれだけで俺は無所属の世界の神──世界神となった。
特に何も異常は……と思った瞬間、なぜか死亡状態となり瞬時に復活する。
だがそれも数秒もすればまた死亡、そして復活という無限ループに陥ってしまう。
正直、それ自体は問題無いのだが……これからずっとこれってのも目立つか?
「……あー、これ?」
『すぐに世界樹に触れろ!』
「お、おう……あ、止まった」
『神気不足だ。ハァ……これからずっと、自ら神気を賄えるようになるまで、こうしていなければ死ぬぞ』
何ともまあ、面倒なことになったもので。
要するに、神様版の生命力的なものが枯渇して死亡──復活しても現状は変わらないので、また死んでの繰り返し。
正確には、[死に戻り]時にほんの少しだけ神気が生み出されているようだが。
世界の神なんて途方もない存在を賄う分には、まったく足りていないのだ。
今は神・世界樹が生成している神気を頂くことで補っているようだし、おそらくこうしていれば死ぬことも無い……が、ずっとこのままってのもつまらないからな。
「まあ落ち着けよ風兎……俺はともかく、うちの『SEBAS』がこんな事態を想定していないとでも?」
『むっ、それもそうか』
「……ちょっと釈然としないが、そういうことだ──『魔王の取腕:界樹の神子』」
わざわざここで実験を始めたのも、このような事態を想定してのことだ。
細胞を摂取した権能持ちの力を複製できるチート装備を使用し、対象を指定する。
魔導世界において、世界樹と接続して無限の魔力を得られる権能。
それを借りることで──俺もまた、神・世界樹とのリンクを創り上げる。
そんなこんなで、もう少し続くんじゃよ
そりゃあ、世界すべてを統べる神様に、無数の神話が存在する世界観でなろうとすれば……ねぇ?
■■世界のことをよく知らないからこそできた愚行
分かったうえでやっていたら、即座に戦争だったかもしれません
p.s. 無字×944 ちょっと長め
少し溜まっていた感想をちまちま消化して作者です
その中で、先日投稿した術式云々のことについて、二次創作をしてくださっている作者様から感想(ご意見)が届いていました…………みんなもぜひ読んでね!(ダイマ)
何でも、触媒の種類・発生の起源・エネルギーの種類、などで分けられるんだとか
本当、きちんと設定を考えられる人は凄いな……と感心した次第
そんなわけで、ノリで活動報告に思いつく限りその辺を書いてみることに
術式の大まかな分類などを纏めてみたら、何か作者自身理解できると信じて
そして、それを読んでくださった読者の方が、何か意見をくれると信じて!
…………(|Д°)チラッ
そんなわけで、要するに
GWは読書祭りにしましょう!
(小説を)読むだけでなく、(ご意見を)書くもして、何かやり遂げた感を得てみませんか?




