神聖術式 後篇
最後だけ視点が変わっています
神聖術式、それは神器とは似て非なる神の威を借りた力の体現。
精霊や死霊の使役と違い、神族は彼ら自身の意思で術者に合わせてくれる。
そんな神聖術式は、その仕様上神々の許可が無ければ使うことがでいない。
……が、遺跡の住民たちが使っていた銃にも神聖術式が使われていたらしいんだよな。
「──というわけで、『プログレス』二台と銃を一つ交換してもらいましたー」
ピッタリ一台だと、あちらも自分たちが解析用に壊したと知られたと思うだろう。
なので少々の取り繕い程度に、提供する台数を増やしてみた。
こちらが負担するコストは無に等しい。
むしろ増えることを推奨しているぐらいなので、それ以上に価値を見出している神聖術式付きの銃を求める方が重要だった。
今回の交渉には『SEBAS』のサポートがあったので、見事細工もされることなく、神聖術式と思われるナニカが施された銃を得ることに成功する。
「あとはこれを解析するだけだな……あちらにもブラックボックスが無いかどうか、探ることからやっていこう」
手にしている銃、その構造は:DIY:でじっくりと調べてある。
──が、既知の神聖術式らしきものを見つけることはできなかった。
だが一部分、ただ見るだけでは把握することのできない部分が存在。
他はいい、だがここを暴くことは許さないとばかりに高度な秘匿が成された箇所。
解析された際、自壊するといった情報漏洩の対策は定番だ。
魔道具にもそういった仕掛けがあるものは多く、ある意味必須の技術とも言える。
「秘匿する技術があれば、その逆もまた然りなんだよな……『インストール:ヴィジョンアイ』。そして、“神持祈禱:オールコントローラー”」
未来視と操作の『プログレス』を起動。
これによりある程度銃を制御しつつ、干渉した際に生じるトラブルを先んじて把握し、阻止することができるようになった。
「トライ&エラーだな。とにかく、やるだけやってみよう」
一発で成功するとは思っていない。
謎の技術を知るため、俺は銃の分解と解析に挑戦していく。
◆ □ ◆ □ ◆
天上世界
同時刻、遺跡にて。
ツクルが代表者と認識する男が、その手にした装置──『プログレス』を眺めていた。
「次は無い、な……何としても、果たさなければならない」
そう言って仰ぐ先には、男の目的に必要なものが並べられている。
一つひとつ異なるアイテム、それらには共通した術式が施されていた。
神聖術式──ではない。
それは人の業が生み出した、神をも恐れぬ簒奪の術式。
「神よ……俺は、俺たちは──!」
その一つを掴み、力を注ぐ。
──ソレは天空の威を示すように、雷を迸らせるのだった。
要するに?
お互いがお互いを出し抜こうとしている感じ
ただ、どちらかがもう片方を出し抜いたからと言って、特段困るわけでもない
p.s. 無字×941
寝坊、爆睡がいつも以上に続いた作者です
理由は……まあ、いつものアレがいつも以上だったからですね
知らず知らずのうちに、負荷が溜まっていたのでしょう
やはりアレが……アレを手に入れなければ、ネットの広告欄をじっと見つめる作者なのでした




