舞い降りた手紙 中篇
リアルタイムで更新される、創造神からの手紙を読んでみる。
その流れで風兎が創造神の祝福を授かったり……なお、彼ら自身はお引越し中らしい。
「『おっと、それじゃあ話を戻すね。いつでも君たちを歓迎したいところだけど、引っ越し中で今もてんやわんやさ。間借りする側からで申し訳ないけど、しばらくは閉鎖しておいてほしいな』……看板でも付けておくか」
『うむ、すぐにしろ』
へいへい、と言いつつ:DIY:で即席の看板を高速で製作。
表と裏に、『OPEN/CLOSE』と書かれている物だ。
あとはこれを、神域へ繋がる道に置いておけばいい。
……と考えたところで、看板が突如この場から消え去る。
「『うん、これが目印だね。僕たちの方で少し手を加えて、入り口に置いておくよ。祝福もしておくから絶対に壊れないよ』……どうしよう、もう少し豪勢に……『ああうん、普通で良かったよ』……良かったみたいだ」
『むぐぐ……』
風兎は俺に説教をしたかったようだ。
だがそれを創造神自身が肯定したため、何も言えずに唸るだけに終わる……祝福って、普通に剣とかの武具によるものじゃないか?
「絶対に壊れない看板か。聖剣とかとどっちの方がいいんだろう? 看板に倒された魔王とか、逆に可哀そうな気がしてくる」
『お、おい、失礼なことを言うな!』
「たぶん気にしないと思うけど……ああ、みたいだな。『むしろ、その方が面白いと思わないかい? もし侵入者がここに着たら、ぜひとも壊れない看板で無双してみてほしい。とても興味深いよ』。って書いてあるし」
『ふぐぅ……!』
おっと、これ以上は風兎の精神というかストレス値に危ういかもしれん。
創造神様、こちらから振った話題で申し訳ありませんが戻してくれませんか?
「『あはは、それじゃあ話を戻そうか。ともあれ、僕たちの神話専用の神域が生まれた影響は大きい。クローチル君への祝福や看板に送る祝福同様、これまではしたくてもできなかったことができるようになるんだ』」
アレだな、つまり賃貸物件からマイホームになって、お金に余裕ができたわけだ。
少なくとも、これまで支払いに消えていた分は自由に使えるようになる。
「『ちょーっとばかり、僕たちで使う分は残しておくとしても、やっぱり君たちの貢献がデカいのは間違いないからね。その使い方について、君たちに少しばかり頼みたいことがあるんだ』…………なんか降ってきたな」
『本、のようだな』
「タイトルが書いてあるけど…………『祝福カタログ』、だってさ」
『…………』
これが本当のギフトカタログ……って、さすがにネタが過ぎませんか!?
※不壊の看板
創造神からの祝福を授かった看板
決して壊れず、またあらゆる干渉を受け付けない
──ただし、使える場所が限定される、という制約がある
p.s. 無字×858
作品に関する質問に、嬉々として返信をした作者です
何というか、とても嬉しいですね……あまり来ませんし
読んでもらえている実感、またその目的はどうあれ作者もまた質疑応答を経て作品をよりよくできるという経験
そんなわけで、気になることがあればぜひともご質問ください
分からないものやネタバレできないものはともかく、たいていは答えますし、答えが無ければ作る……ぐらいのことはたぶんやります!




