舞い降りた手紙 前篇
宇宙からアイスプルを観ながら、風兎と新たに開かれた神域について話し合っていた。
するとその時、失名神話の創造神から手紙が舞い落ちる。
「……さて、読みますか」
恩人……というか恩神からの手紙なので、こちらも緊張してしまう。
少々震える手で中身を開いてみると──中身は白紙だった。
「えっと何々……」
だがそれは冗談の類いではない。
すでに何度か経験しているのだが、最初が白紙の場合は浮いては消えるタイプなのだ。
そのため、俺が紙を目に入れて数秒もすれば、自然と紙の中に文字が浮かび上がる。
なお、明らかにこちらの状況を察しているため、文字が流れる速度もピッタリだ、
「『この手紙が読まれている頃、僕たちはすでに行動に移っていると思う。そう、君たちが開いた神域へのお引越しさ』……あのまま試しに行っていたら、大変なことになってたみたいだな」
『ああ、危ないところだった』
「『これまでの場所はいわゆる賃貸でね、僕たちに集まる信仰の一部が支払われていたから困っていたんだよ。でも、今日から僕たちも夢のマイホーム持ちさ!』……分かる、苦労してたんだな、神様たちも」
『神々も場所の奪い合いをしているのか』
「そうみたいだな。つまり、神々の世界もまたある程度領土というか広さが決まっているのかもしれないな」
まあ、うちは瑠璃のドタバタの果てに地主となって家も建ててもらったのだが。
あれは例外中の例外、普通のサラリーマンだったならローンがあっただろうな。
「『さて、本題に入ろう。君たちが神域の扱いについて困っているのは分かる。僕たちからするといつでも大歓迎なんだけど、少しばかりそれは難しい』……大歓迎だってよ」
『だが、いやしかし……』
「『最近じゃもっとも身近な女神プログレスちゃんも居る神話なんだ、それぐらい緩々でもいいんだよ。なんだったら、クローチル君のところの子を招いてくれてもいいよ』……おいどうする、名指してきたぞ?」
『! 星獣としての格が上がったぞ、それに加護が祝福に進化した』
おおぅ、神・世界樹を参拝した住民たちにはそれぞれ失名神話の神々の加護が付いており、風兎は星獣だからか創造神から加護を受けていたが……それもパワーアップしたか。
「まあ、行きたいって希望するヤツが居たらでいいだろう。神様たちだって、別に嫌がるヤツを迎え入れたいとかそういうことじゃないんだろうしさ」
『むぅ……最低限のマナーは叩き込まないといかんな』
「ほどほどにしとけよ。さて、続きを読んでいこうか」
挨拶ぐらいはできた方がいいし、その辺は風兎に任せておこう。
意識を切り替えて手紙を見れば、また別のメッセージが記されていた。
※■■■(創造神)の祝福
風兎が授かった祝福
その効果は──(情報規制)──
なお、虚弱な生産士が授かった(■■■の注目)は特殊なもの
加護、祝福などの定番のフレーズ以外はだいたいそんな感じ
p.s. 無字×857
多めに働き、長めに寝る……疲労困憊な作者です
先日、ソシャゲでランキング的なありました
まあ、点数を積むタイプでカンストさせれば上位扱いなんですけど
なのでそれを求めてひたすらプレイ──二日間だけ
むしろそこに凝縮されるため、滅茶苦茶プレイしていた作者でした




