特殊耐久サバイバル部門閉幕 その07
瑠璃がEHO内でゆっくりしたいと宣言。
家族は戦慄した、これは必ず何かとんでもない騒動が起きると。
だが実際に巻き込まれるのは、自分たちではなく他の者たち。
互いに目を合わせ、それ以上語らない……巻き込まれる人々に祈りを捧げて。
「こ、こほんっ。あー、そういえば、今回のイベント、みんなはどんな風に過ごした? 場所だけは父さん、ちょっと伝手で把握したけどそれだけだからな」
話題を先ほどまでのイベントについての内容に戻し、逸らすことに。
子供たちもそれに乗って、瑠璃の発言については触れないことになる。
「俺は最初、砂浜だったな。最初はそこで出来る限り装備の制限を解除して、そこから仲間と合流したんだ」
「大変だったろう。今回のイベント、全然連絡がつかないし」
「最初はそうだと思ったし、みんなとも念入りに連絡の取り方を決めてたんだけど……いざ始まったら『プログレス』が成長して、連絡できるようになったんだ」
『…………』
それなんて主人公補正、といった表情で俺たちは翔を見てしまう。
たしかにイベントが始まる前に、そんなことを話題にしたが……フラグだったのか。
──そんな仕様は搭載していない以上、紛れもなくそれはショウだけの力。
仲間との繋がりを、願望の器を通して再び結び直す力に目覚めたのだ。
ゲームで言えばパーティー編成、及び距離無制限の連絡網構築といったところか。
「みんながどこに居るかも分かったから、話し合ってどこに行くか決めたんだ。で、選んだのが列島の中立地帯。そこで…………いろいろとやりながら、場所がランダムに変わるまで過ごしてたんだ」
「そうか……うん、全員集まれたのは凄い。今回のイベント、かなりが集まれないでその場で協力できる人を探すって方法を選んでいたみたいだからな」
「……ねえ、いろいろって──」
「今度は私が話すね……いいでしょ?」
瑠璃のツッコミに割り込むように、舞が自分の話をしようとする。
分かる、滅茶苦茶聞きたいし創作物なら絶対カラーイラストだけど……静かにな。
目を輝かせて、息子のラブコメを聞こうとするんじゃありません。
何だかんだ、舞の方が翔のアレコレに対する処置が上手になっているのも納得である。
「私の初期地点は洞窟だった。そこに従魔たちといっしょに拠点を作って、時々見つかる『リミットブレイカー』で力を解放しながら外に出る時を待っていたの……まあ、結局配置換えが起きるまで動けなかったけど」
「侵攻は大丈夫だったのか?」
「うん。洞窟がかなり入り組んでいたから、隣にある樹海からも湿地からも、そこまでの数は来なかったから」
中立地帯からは出ずとも、侵攻に対する防衛はバッチリやっていたようだな。
道理でマイを捕捉するのだけ凄く苦労したわけだ(外に出てた時に何とか見つけた)。
さて、気になるのは瑠璃の行動とイベントの最後がどうなったのか。
どちらともすごく気になる、いったいどこまで今後に影響を及ぼすことになるのやら。
※『プログレス』の能力獲得
基本的には初期能力──根幹となった願望と繋がる能力を得る
擬似願望機にある程度──(情報規制)──が蓄積することで、『プログレス』が進化し利用可能なリソースが増加する
その余剰分に能力が組み込まれる形が多い
だが稀に、本人の強い意志により『プログレス』が応え、その状況に適した能力が発現する場合がある
──某作品と違い、特定のTypeだからとかそういうことではない
──願望の根幹は変わらずとも、人の願う内容は移り変わりゆくもの
──ならば願望機もまた、それを汲み取るだけのこと
p.s. 無字×850
またしても、スマホ片手に爆睡した作者です
まさしく、記憶にございません……寝る前の作者、どうして瞼を閉じたのかさっぱりです
せめて寝る姿勢を整えてほしかった……頭痛に苛まれる作者でした




