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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
手を染めた背理と背離する決戦

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特殊耐久サバイバル部門後篇 その41



 ジンリの采配によって強者たちが複製魔獣たちを捌き切る中、ついに『騎士王』参戦。

 それにより火山の魔獣が討たれ、条件達成により空間の魔獣の支配領域が解放された。


 対する裏切り者たちは、当然撤退を余儀なくされる。

 相手が相手だ、かなりの負傷者が出ているのだが……まあ、多くはどうにかなるはず。


「皆さん、すぐに治療を! ポーションで治せない方は別途処置しますので、何らかのアイテムでそれを示してください!」


 俺以外にも生産職は居るし、支援するためのスキルや術式の持ち主は居る。

 だが彼らは戦線に出て消耗しているので、基本的には俺と人形で対応していく。


 特に俺は複数の職業の能力、あと『援匠』の効果などでポーションの恩恵も多めだ。

 なので大半のヤツはそれで治療が済む……が、相手が相手だったので問題も発生した。


 権能持ちやら最上位職と戦った面々は、俺が提供するポーションでは治せないような深い傷を負っていた……中には、再生不可の状態異常を発生させた者も居る。


 そんな面々を、俺は集めて話を行う。

 体を動かせなくなった者も居て、そういう連中は担架モドキの器具に乗せている。


「ここでギブアップしたい、というのであればそれで構いません。ですが、まだ生きたいというのであれば……私が何とかします」


「……何する気だよ」


「まあ、魔法もある世界ですし、そういう方法も無くはありませんが……そんなのを使えるのは向こうの方々だけです。なので、私が提供できるのは二つ──手術か改造です」


「それ、どっちも同じなんじゃ……」


 EHOの職業システム的には、違っているようで似た感じなのだ。

 なんせ、就職条件を見る限りどっちも体の内部を把握できていればいい感じだし。


「まあまあ、話は最後まで。手術は現実かそれ以上のモノをお約束しますよ? 欠損部位はポーションで培養して用意できますので、状態異常を無視して取り付けられますよ」


「……その取りつけるって言い方、物凄く嫌なんですけど」


「ただ、それでは今までと変わらないと思いますので……私としては、改造の方をオススメしたいんですよね。ご不安でしょうし先に言っておきますが、これはイベント限定ですので、リタイアすれば元に戻りますよ」


『…………』


 普通にエンジョイしたいだけの連中なら、そもそも裏切り者になどならない。

 そのうえで、すでに五体満足に動けない彼らならば……話を聞いてくれるだろう。


「……で、何を、するんだ? まさか、怪人にでも、してくれる、のか?」


「遠からず、でしょうね。目にした通り、魔獣の複製には成功しています。これと同時進行で、魔獣因子とも呼べるモノを見つけています。人にそれを使えば、代償と引き換えに魔獣の力を使えるようになるでしょう」


「代償ネェ……死ぬノカ?」


「魔獣との相性次第ですかね。強さ、ではなく属性の方で。相性が合えば精々今回限りで種族レベルの減少、悪ければ……まあ、死ぬかもしれませんね」


 無理をしなければ死ぬことはないだろう。

 ──まあ、人と魔獣で相性が合うことなんてほぼ無いので、素の状態で使えば相性に関係なく死ぬんだけどな。



※培養(欠損部位)

これは意外と知られている……というか、こちらから派生したのがクローン技術

やり方はいくつかあるが、ポーションを使えばだいたい鮮度の高い状態で維持できる

ただし、移植には高度な技術か品質の高いポーションが必要になる


p.s. 無字×834

短い冬休みも半分以上が過ぎ去り、心のゆとりが失われつつある作者です

……なぜだ、余裕はあったはずなのに

長期休暇ってそんな感じですよね、だいたい終わり際で焦る

どんどん増やすはずだったのに……なぜだ

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