特殊耐久サバイバル部門後篇 その40
皆さん、あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
それから二日間、ひたすら複製した魔獣を火山の領域周辺に投入し続けた。
参加者たちはそのほとんどが退場し、一部の実力者と逸脱者だけが残っている。
その中には、ショウやマイ、ルリなども含まれていた。
それだけでなく、俺たち以外の『天』だったり……ジンリなども。
《……ジンリ》
ジンリのプレイスタイルは、基本的に指揮官特化。
自分は戦わず、周りを戦わせることで最大の戦果を得る。
そんな彼が最大限の力を発揮する時、それは周囲に自分以上の実力者が多い場合。
すでに冒険世界、そして休人たちの間ではかなりの知名度を誇っている。
適切な采配により複製魔獣たちの猛攻を捌き切り、生き残っているのが何よりの証拠。
そうして、少しずつジンリの指示を聞く者たちが現れ──今はほぼ全員だ。
その中にはルリたちも含まれている。
むしろ、こういった戦況においてジンリが役立つことはルリもよく知っているので、ある意味当然だ……俺もそうしただろうし。
「それで、準備の方は?」
「ええ、お陰様で。あとは、その時を待つだけですね」
「……ちょうど、その時が来たようです」
時間経過という条件が満たされたことで、追加のメンバーが訪れる。
援軍はただ一人、演出なのか光差す天上から舞い降りる──騎士。
その腰には剣を下げ、握り締めるのは鑓。
今それを大きく振りかぶり、振り下ろす。
認識できないそれは光速で飛来し、目的の場所──火山の魔獣を刺し貫いた。
「っ、『騎士王』……!」
「おや、お知り合いですか?」
「……直接はございません。ですが、彼女こそが制約で知り得る限りの、最大の壁であると把握しております」
「まあ、でしょうね。私が知り得る限りで、彼女以上に何でもできる方を知りませんよ」
権能は万能、彼女自身の素質も最上級。
まさに最高にして最強、それこそが『騎士王』である。
星鑓により、地上に現れた最後の魔獣も討たれてしまった。
これにより、制約は果たされた──エリアの一部にいくつかの穴が開く。
「アレは?」
「制約によって、ここに繋がる通路を作らなければなりません。場所についてはこちらである程度自由にできますので、多少は誤魔化せるでしょうが……」
「まあ、長くは持ちませんよね」
逸脱者だけでなく、『プログレス』であっても探すことに長けたモノが存在する。
また、権能を用いずとも通路を見つけるだけならばスキルや職業など盛りだくさんだ。
「…………」
「すぐにメンバーの回収を。時間を置くのが本来は正しいでしょうが、今回に限ってはそうではありませんので」
「わ、分かりました」
「……ギリギリでしたね」
まだ残っていた裏切り者たちの足元に空間の穴を開くのとほぼ同時、彼らを捕縛するための魔力の鎖が飛んでいた。
それらを擦り抜け、裏切り者たちはこちら側へと落ちてくる。
……やはり『騎士王』、来たばかりなのに瞬時に裏切り者たちを判別していたよ。
※星鑓
それは星が授けし鑓に非ず
人が生み出し、星を秘めた鑓である
理は無い、ただひたすらに固い
──何より、鑓にして槍に非ず
p.s. 無字×833
今年こそ、数字を減らしたい……人の夢だから…………ハァ
ネタが思いつかないのも問題な気もしますが、何より時間とテンションがですね……
なお、作者は普通に書くのは好きです
……ただそれ以上に、読むのも好きなんですよね
もともと読むばかりで、無いなら書けばいいじゃないとノリで始めたタイプですので
別に書きたくないとか、何も思いつかないというわけではありません
イメージ的には、起承転結の『承』『転』が抜けてて埋めるのが大変、という感じです




