特殊耐久サバイバル部門前篇 その39
とりあえず、特殊サバイバル部門のマップ埋めが八割ほど済んだ。
これでも独りで調べるなら大した功績、魔獣たちの領域を掻い潜って調べてもらった。
「……ちなみになんだが、家族との合流はできそうか?」
《坊ちゃまが列島領域にて確認できました。しかし、お嬢様と奥様に関しては不明です。ただし、奥様の騎士団の方々が06である不明の領域を目指している姿が確認されております》
「ショウの方にお邪魔するのは迷惑だろうから、仕方ないな……マイが見つからないのは少し心配だな。不明のどこかなんだろうが。そして、ルリは…………うん、俺が居なくてもやっていけるだろう」
ショウはパーティーメンバーとの合流を目指しているだろうし、そこに父親がお邪魔するのはな……うん、やっぱり無しだ。
マイは場所が分かっていないが、完全に調べられていない5つの区画のどこかだろう。
そして、分かってはいるが心配する必要のないルリ……騎士団も集まっているしな。
「俺にできるのは、やっぱり今後に備えて素材を集めることだけだな」
調査に回していたドローンを戻し、山岳領域で得られるアイテムの採取の補助をしてもらっている。
この山岳領域の優れたところは、他の領域で得られる素材を多く集められる点だ。
それぞれの領域の素材、その目玉とも呼べる希少な物は手に入らないけれども。
だがそれ以外の物なら、ほとんどが手に入れられる……理論上は。
今はまだそうではない、鉱石であれば固有名を持たない物ばかりだ。
しかし領域の奪い合いの果てに、何らかの変化はあるだろう。
……そしてそれを必要とせず、:DIY:である程度確保できるのが俺の利点だ。
「『SEBAS』、結局あの……というかこのヤドカリたちって、魔獣なのか? それとも眷属なのか?」
《眷属であり、魔獣そのものでもある。言わば分裂した個体のようです。個にして全、ゆえにそれぞれの個体が魔獣としての領域干渉能力を有しているようです》
「……なんかズルくない?」
《その代わり、それぞれの強さはそれほどではないようです。また、山岳領域の強化や魔獣の強化が他の領域に比べて劣ってしまうというデメリットがあるようです》
現状が並外れている分、その帳尻合わせが発生している……ということだろう。
まあ、充分にその恩恵を受けている俺が言うことではないんだけれど。
《そして、一番の能力はやはりアレですね》
「ああ、アレか──まさか増えるとはな」
先に『SEBAS』が挙げた分裂、つまりヤドカリの数は増えるということ。
谷から帰ってきたヤドカリ、それに追いつき明けた翌日──ヤドカリが増えた。
それは霧を周囲に撒き散らすヤドカリ。
谷のように入り組んだ地形を背負ったその個体は、他の個体と居場所を調整して新たに山岳領域に住み着いていた。
そう、ヤドカリ型魔獣最大の特徴。
それは侵攻した領域の素材を基に、自らを増殖させることにあった。
※ヤドカリ型魔獣
特徴は大きく分けて二つ──
・地形同化:周囲に溶け込む
・同格分体:コピーを用意
そして、これら二つを組み合わせることで、溶け込んだ地の環境情報を取り込み、自らの殻として保存することができる
p.s. 無字×782
スコアカンストまでフィーバーする予定な作者です
分かる方には分かる、ソシャゲのコラボイベントですね
普段はログボ回収勢な作者の技量はお世辞にも上手いものではありませんので、落ちモノ系でランキング上位などは見込めないんですよね……
でも王冠が欲しい、そんなアナタもレッツフィーバー
カンストするだけで貰える王冠、作者の手にした王冠の数は、カンストさせた数とまったく同じなのでした




