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鑑定弐式



 S13W7


 プレイヤーがまだいない新大陸で、とりあえず狩りをしようと思ったんだが……。


「対象となる魔物は、このアイテムに反応する奴ね……難しいもんだな」


 メール機能で全プレイヤーに配布されたアイテム──水晶を調べてそう感じた。


 簡易的な鑑定の機能を持ち、一定水準の戦闘力を持つ魔物を鑑定した際にのみ、色が光るという仕組みらしい。


 あと、壊れるし盗みを働かれれば普通に奪われるアイテムでもある。


「『SEBAS』、解析はできたか?」


《旦那様が持つ(鑑定)スキルとの同期……完了。以降、水晶の基準でですがある程度の強さを図れるように改良できました》


「消費MPに違いは?」


《ございません》


「ならばよし!」


 もともと(鑑定)を習得しなかった者のために配布されたアイテムだが、持っているのにレベルが上がらない俺の役にも立った。


 試行錯誤を『SEBAS』に依頼してみた結果、(鑑定)に水晶の効果を付与することに成功したみたいだ。



 死亡レーダーで俺より強い魔物は分かるのだが、数が多すぎて苦労していた。

 だがこの新機能により、現れた魔物が強いか弱いかが調べられる。


 アイテムによって魔物を倒すことしかできなかった身としては、ようやく相対的に自分の戦闘力が分かるとホッとしていますよ。


「おっと、ちょうど良い所に魔物がいるな」


 死亡レーダーに反応したのは、ここからすぐの場所に生成されたスライム。

 体当たりしか行動が取れない魔物なので、素の俺でも(油断しなければ)余裕で倒せるだろう。


 歩いて現場に向かうと、たしかにスライムが一匹プルプルと震えていた。

 特に何をするでもなく、ただ滑らかな動きで移動している。


「水晶で調べれば……うん、無色だ」


 当然、強いわけもなくスライムに強さを示すことは無かった。

 薄らとでも色が付けば、ある程度戦闘力があるらしい。


「これを次はこっちで──“鑑定”!」


 無駄にカッコつけたポーズを取り、スライムを視界内に収める。


 すると、弱い魔物であるため、ある程度の鑑定結果が表示され……って、あれ?


「『SEBAS』。なんだかいつもより、表示される文字が薄いんだけど……まさか」


《──どうやら、強さの色が鑑定結果の文章と混ざったようですね》


 要するに、弱い魔物なら文字は強調されず強いなら目立つってわけだ。


 大量の魔物を相手にした時、どれがボス格の魔物なのかを調べるという状況なら使えそうだよな。


「前の状態に直せるように、けど切り替えも可能なようにしてくれ。それと、縁の部分だけは色を付けておいてくれると助かる」


《畏まりました》


 そう『SEBAS』に言いつけてから、再び別の場所へ移動を行う。

 それなりに強い魔物が居る場所……どこにしようかな?



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