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インスタントシール



 説明しよう、インスタントシールとは──魔力を流すだけで刻まれたアクションを自動的に行ってくれる便利なアイテムだ。


 貼るだけで使え、使用後は勝手にシールが土に分解されて消える優れもの!

 ──錬成タイプと魔法タイプ、同時発売!!


「……みたいな宣伝があったら、買ってもらえるかな?」


 いや、しないけどな。

 これも仙具同様、さまざまな職種の方々へ多大な迷惑をかけるアイテムだからだ。


 技術を生活の糧として使っている者は、このような商品の台頭は好まないだろう。


「知り合いに少しずつ配る……って、まだ誰にも会ってないんだった」


 こっちでできた知り合いにでも、配ってみようかな?


 だが、どこもこれを正しく使用してくれるという保証はない。

 また、本人がそれを保障しようと国がどう動くかが分からない。


「だから『超越者』のほとんどが、独り身で活動しているのか。柵が無いからこそ、対等な関係が築ける……そういうことか」


 そう、俺──休人(プレイヤー)のような特殊な奴もいれば、『騎士王』のような王様や彷徨う放浪者など──そのすべてが『超越者』なんだ。


 だがそこに身分や種族、職業の差などいっさい存在しない。

 ただ『超越者』であること、それだけが俺たちを繋いでいるのだから。


「……みたいな感じだったら、どれだけ居心地がいいんだろうな」


 中には監禁してくるような奴もいると聞いているのに、どうしてそんな楽観的な思考でいられると思うか?


 もし『錬金王』がその監禁を行う奴だったなら……情報を絞れるだけ絞ったら、上手く脱出しよう。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 N3


「どちらにせよ、一度会ってみないと何も分からないんだけどなー」


 湿地帯、と言えばいいのだろうか。

 霧がかかったそのエリアは、足元が濡れてヌチョヌチョと音がなるような場所だった。


 エリアに入った瞬間にドローンを上空に飛ばしたので、それにいち早く気付いて結界は張ってある。

 なので俺の足元は汚れず、常に宙の上を歩いていっても過言ではない。


「ここは……好まれてはいなさそうだな」


 陰気な湿気が溜まっているからか、ここら一帯のプレイヤーの数は少ない。


 レアな草花や魔物の素材は手に入るらしいが、それ以外に旨みがないらしく、ここは一度通るだけで、必要以上に長く居ようとする者はいないんだそうだ。


「うぅ、俺も早めに突破しておこうかな? いやでも、良い素材があるらしいし……錬金術に関する」


 そういった用途があるからこそ、このエリアのアイテムはレアとして扱われるのだ。

 まあ、採取は行っていこう。



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