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闘仙 その05



「これは……巻物か?」


 紐で縛られた一枚の紙。

 宝箱の中にそれがポツンと置かれていた。


「『SEBAS』、何か分かるか?」


《これは……おそらくスクロールかと》


「スクロール? たしか、最低限だが記された魔法が使えるってヤツだっけ?」


《旦那様でも作成できますよ──対応する属性さえ使えれば》


 うん、無理。

 スタンガンだって最初は雷魔法的なものを使おうと思ったのに、仕方なく科学の力で電気を生成することになったのだから。


 あとでスキルで持たずとも属性魔法が使えるアイテム──属性魔石の存在を知り、改良した結果が今のスタンガンである。


 ちなみに、魔方陣という技術は媒介に関係する属性を秘めた素材を使う必要がある。

 インクや紙などに魔物や魔石を使えば、完成したアイテムが何かしらの属性に対応したマジックアイテムとして完成するのだ。


 それに使いたい魔法の陣を刻むことで、魔法陣は完成するのである。


「……吸収型の魔法陣を使えば、いちおう問題ないじゃないか」


《頼める方が少ないですけどね》


「うぐっ」


 吸収型というのは、あえて完成していない魔法陣に魔法を籠めて刻むタイプのものだ。

 魔法の威力や効果が高ければ高いほど、媒介の質が高くなければ失敗するが刻み方が簡単という方法だ。


 刻む者によって後で発動した際の質が異なることもあるので、安定を求めた職人には嫌われているらしいな。


「それで、中身はなんなんだ?」


《“微回復(ミニヒール)”ですね。回復魔法の初歩としても、生活魔法で使える恢復手段としても使わていますよ》


「生活魔法……それって、魔力さえあれば使えるんだっけ?」


 魔法と言えば男のロマン。

 早々に魔法使いへの可能性を失ってしまった俺も、憧れてはいたんだ。

 魔道具や装置、ポーション作りに没頭していたせいで忘れていたが……。


《はい。いずれ、簡単な習得法を調べてお教えしましょう》


「おう、よろしく頼むぞ」




 俺、魔法使いへの道が進む。

 そして、ダンジョンへの冒険も進む。


「うーん……これはデカい」


《幼子の揺り籠と類似していますね。奥も似たようなものとなっています》


 辿り着いたのは巨大な扉。

 かつて向かったダンジョンの奥地、ボスの待ち受ける部屋に似ていた。

 これまでスタンガンを使いまくって進んできたが、ようやくこの場所まで到着する。


「ログアウトを何回したんだか……」


《計3回。数日が経過しております》


 有志の調査団が調べた結果、EHO内で流れる通常の時間の差が判明している。


 ──その速さは3倍、まさに彗星の速さで進んでいるそうだ。


 ただ、どこかで調整しているようで現実との時間がほぼ一致しているらしい。

 ……うん、不思議技術万歳だ。


「まあ、とりあえず入ろうか」


 軽いノリで扉に触れると自動的に開いていく……さて、奥には何があるんだか。



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