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椅子作り



「そういえば、結局大切な説明が記されてなかったな……材料って、どこまでが材料?」


 例えば、俺が椅子を作りたいとする。

 椅子には木材を使う方法があるが……この場合の木材は、加工済みかどうかという問題に悩まされる。


 ここで自然における木、そのものが出現するか、加工済みの木材が出るか……確かめないと分からないな。


「“加工済みの木材”(ポンッ)……うぉ! 本当に出たな。これも材料で良いんだ」


 良かった良かった。

 木材を作るなんて、:DIY:の領域に含まれていないからな。


 あ、だから出現したのかも。

 出てきた木材も、俺が頭の中でイメージした通りの大きさだ。


 よし、これなら考えてたほとんどの物が作れるようになるな。

 まず手始めに……シンプルにできる、椅子でも作ってみるか。



「──よっしゃあ、:DIY:を始めるか!」



 なんとなくテンションを上げるため、俺はそう叫んだ。

 すると──


《:DIY:が起動されました

 使用者『ツクル』の指定能力値──概念崩壊……成功しました

 アイテムの作成成功後、または条件無視によって解除されます》


「こ、これは! 体から力が溢れてくる!!」


 もう、怪しい言葉が頭の中に流れ込んで来たから分かる。

 この現象は:DIY:を発動したことによって、俺のステータスのHPとSP以外の数値が無限になったのだろう。


 試しに(鑑定)をアイテムに使用しても、手袋を鑑定した時に起きた頭痛に苛まれることはない。

 うん、本当みたいだな。


「まっ、そろそろ始めるか」


 必要な道具と材料を生み出し、本日のDIYが始まる。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 材料はこちら──


・天板用木材(57mm×27mm)1本

・脚用木材(500mm)……4本

・貫用木材(200mm)……6本

・ビス(32mm)……6本

・ビス(51mm)……12本


 工具や道具は……そのときそのときに言えばいいか。

 それじゃあ、作り方だぞ。


・木材の大きさをカット……要らないな。

 本来は木材を脚用と貫用にカットするぞ。


・脚に貫を取り付ける為の下穴の用意。

 脚4本を纏めて、端から100mmと135mmの間の所に印を付け、指矩でそこに線を引く。


 真ん中あたりにビス用の印を付ける。

 そこにドリルビットか皿錐ビットを取り付けた電動ドライバーを使い、下穴を開ける。


 そうしたら半分を右、もう半分を左に転がし、脚の上部になる端に貫用の木材を合わせて、再び横に4本纏めて線引く。

 再び同じ方法で下穴を開けるぞ。


・貫にも穴を用意。

 端から82.5mmの所に線を引く。

 その線に別の貫用の木材を重ね、またさらに線を引く。

 そして、真ん中に印を付け下穴を開ける。


・脚に貫を取り付ける。

 下穴を開けた貫を、脚の上部に入れてコの字を2つ作る(接着剤で固定してからビス(51mm)留めするとやりやすいな)。


 作った2つのコの字を繋げるよう、脚の下部にも貫を使いビス(51mm)で留める。

 その脚と脚の間に貫を入れてからビス(51mm)で留めて、H型になるようにする。

 脚の上部の真ん中にも貫を入れ、『片方』だけビス(51mm)で留める。


 ──ここで一度平らな場所に置いて、ぐらつきが無いかを確認する。

 あったならば、真ん中の貫を左右にずらして調整しておくことが大切だ。


 無かったなら印を付け、ビス(51mm)で留めておく。


・天板をつくる……これも、省略だな。

 本当は1×4木材を、27mmで三等分するぞ。

 ビスを留める所に六ヶ所印を付ける(本来はその三等分した木材の上部と下部の端ら辺の中央に印を付けるぞ。俺のは最初から三色になっていただからそのままビスの印を付けるだけだった)。

 そして印に電動ドライバーで下穴を開け、ビス(32mm)留めする。


 ──完成だ!


  ◆   □   ◆   □   ◆


「……よし、ちゃんと作れたな。座っても壊れないし」


 イメージをすると、その大きさで木材が出現したからな。

 一々切る必要が無くて楽だったよ。


 使った素材や工具の余りは、完成と同時に本当に消滅した……便利だな。


「……もう一個ぐらい作ったら、今日はログアウトするかな?」


 時計を開いて、現実の時刻を確認してそう決める。

 しばらくしてから、俺はログアウトを押した──



注):実際に作ったわけではありません。

──そしておそらく、最初で最後です

今回の話に飽きを感じた方も、せめてもう少しだけお願いします

……以降の話における生産は、もっと雑になることを予告しましょう

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