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貢献イベント その17



 さて、内容の確認を──


===============================

クエスト:『里長からの頼み事』


内容:指定された場所へ物を届けろ


基本報酬:『エルフの隠れ里』でのクエスト受注権限


      受注しますか?


    〔YES〕/〔NO〕

===============================


「君には、この手紙を隣りの木に住んでいる私の弟『イルムスィドラ』に渡してもらう」


「えっと、接触はすぐにできますか?」


「ああ、私の名前を言えばすぐさ」


 ちなみに、里長は『アルフェドティーン』という名前だ。

 兄弟揃ってカッコイイ名前だな。


 ここに来る途中で聞いたのだが、この里のエルフの名前には必ず小文字が入るらしい。

 道案内をしたあの男の名前も、『スリャングス』と言うみたいだしな。


「──分かりました。この手紙、しっかりと届けさせていただきます」


「では、よろしく頼むよ」


 迷わずに〔YES〕を選択し、俺は早速この場所を飛びだした。




「──ほぉ、兄者からの手紙か。たしかに受け取ったぞ、客人よ」


 さて、枝を経由して隣の木に移動した後、警備をしていたエルフに手紙の旨を伝えて弟さんに会っていた……稽古場で。


 なんでも弟さん、戦闘好きらしくてさ。

 エルフの戦士長的なポジションに就き、警備の者を扱いているようだ。

 少しその様子を見たのだが……口角が吊り上がってましたよ。


「それで、客人は闘えるのか?」


「あっ、いえ。それはからっきしで。私は戦闘よりも生産が向いていまして」


「……お前ら、少し二人にさせろ」


 静か、それでいて重い声を出して、弟さんは他のエルフを稽古場から追いだす。

 そして、俺たちは二人っきりとなる。


 何をする気なのか、ビクビクと怯えていると……彼は言った。


「──お前、『超越者』だろ」


「えっ、いや、その……」


 いきなり見抜かれました。

 何度もバレているけど、そんなに簡単に分かることなんだろうか。


「俺が闘えると思ったのは、その気配を感じたからだ。大人しく誤魔化すのは止めろ。兄者も、その辺はすでに気付いているだろう」


「……ハァ。ですが、戦闘ができないのは事実ですよ。虚弱ですから」


 なるほど、道理で里長が俺を魔力で何度も殺していたわけだ。

 きっと、じっくり調べていたんだろうな。


 まっ、死ぬ度に情報がリセットされるだろうから、なんにも分かってないと思うが。


「そうか。せっかく『超越者』同士、激しい死合でもしようと思ったんだがな」


「……いえ、そうすると一方的な処刑になりますので、どうかご勘弁を」


 うん、レーダーがヤバいと告げている。

『超越者』用の対策をいくつか持ってはいるものの、やっても得の無いことはできるだけ避けておきたい。


「まあ、仕方ないか。兄者に伝えてくれ──すぐに動くってな」


「あっ、はい。しっかり伝えておきます」


 そうして、俺は里長の場所に戻る。

 ……いったい、アレに何が書かれていたんだろうな。



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