情報開示by妻
舞の恋愛講座は後ほど、翔が受講するとのことだが、既婚者には関係ない。
うん、たとえ娘がどのような恋愛願望を抱いていようが……父親は、娘と共に来た奴を認めないだけで良いんだからな。
「さて……残るは俺と瑠璃だけだが……」
「なら、私から言うわ」
お次は妻──瑠璃がそう言う。
「いちおう訊いておくが……理由は?」
「アナタの方が、絶対に面白い展開になっているからよ♪」
「お母さん」「母さん」「瑠璃……」
三人の気持ちは、一つとなった。
『絶対に(お(母さん))(瑠璃)も凄いイベントを起こしている!』
だが、それは口にしてはいけない。
それが、我が家におけるルールでもあったのだから(詳細は必要に応じてな)。
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「私は、こんなステータスよ」
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ステータス
名前:アズル(女)
種族:【宝玉獣Lv1】
職業:【見習い僧侶Lv1】
HP:100
MP:100(+20)
AP:100
ATK:10
DEF:10
AGI:10
DEX:10
INT:30
MIN:20
LUC:1000
通常スキル
(火魔法Lv3)(精霊魔法Lv2)(竜魔法Lv2)
(水魔法Lv1)(回復魔法Lv1)(加工Lv1)
(魔力操作Lv1)(杖術Lv1)
職業スキル
(回復補正)
種族スキル
(黄金律)(幸運)(魔力貯蓄)
(人化)(獣化)(竜化)(精霊化)
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「たまたまランダムを押してみたら、こんな感じになっちゃったわ」
「アナタは分かると思うけど、私もできる限りランダムですしね。今回もアナタみたいにやってみたら……良い種族が取れたみたい」
「(魔力貯蓄)ってスキルでMPが多めに使えるみたいだから、EHOでは回復職をやってみようと思うの。だから、(回復魔法)と(魔力操作)……あと、自衛用に(杖術)を取ってみたわ。たぶん使わないと思うけどね」
「あっ、なんでも(魔力貯蓄)には、宝石に魔力を溜める効果もあるみたいだったから、宝石を加工できるように、(加工)も取ったわ」
「翔達みたいに髪と眼の色を変えたら、私もアドベンチャーワールドに行ったわ。だけど翔たちを見ないままログアウトした……翔の活躍、見たかったのに~」
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『嫁の幸運がチートすぎる件について』
ふとタイトルが浮かんだな。
だけど、同じランダムなのにこうも違うとは……。
日頃の行いってのも、考えないとな。