四羽目 いざ山へ
「スズはこれからどうするの」
これから…か。
正直言うと、どうすれば良いか分からないな
うーんと、イナさんにお金を返さなくちゃいけないから、お金を稼がなくちゃいけないよね。
「お金を稼ぎたいです」
「うん」
「で、イナさんに返したいです」
「…じゃあ、スズも冒険者になるか?」
「冒険者?」
「怪物と戦う職業でアイテムとか売れば金になるし、依頼を受けたりして報酬貰えるから」
こうして、今後の方針が決まった。
「じゃあ、行くか」
「はいっ」
これから、『クルリット』という街に行くらしい。
クルリットへは、馬車でも2年程掛かってしまうらしい。
「そこで、これが約に立つ。」
そう言って見せてくれたのは、キラキラとした宝石のような石だった。
「これを手に持ち、行きたい場所を数秒見ると移動出来る。」
「便利ですね」
「いや、見える範囲しか行けないから少し不便だ。そこで、あの山の上に行こうと思う。」
イナの視線を辿って、山を見る。
「雲で隠れる程高いんですが……」
「あれ位の山なら、二日で登れる」
「そういうもんなんですか?」
「あぁ」
イナが歩き出す。
ほ、本当に登れるのかな…自信ないや
って、イナさん速い!
駆け足で追いかける。大分、歩くのにも慣れてきた。
それでも、イナが速い。
「イナさん!」
「ん?あ…悪い」
その後は、ゆっくり歩いてくれているが、足を引っ張ってしまって迷惑を掛けてしまっているのが居たたまれ無かった。
しかし、黙々と歩き続ければ、目的の場所に着く。
「こっからは、俺が背負って上まで登ろうと思う」
「や、やっぱり私が遅いからですか!?」
「?いや、最初からそうしようと思っていたから別に」
「本当ですか?やっぱ……」
「あぁ…ここに来るまで背負わなかったのは、一気に山に登ろうと思ったから。だから大丈夫」
まぁ、このままだと危ういかもだけど。というのは心の中にしまっておくイナだった。
「しっかり捕まって」
言われた通りしっかり捕まると、イナが走り出す。
ちなみに、鞄はスズが持っているのだが、荷物の中身が落ちてしまうのではという心配があるものの、自身が振り落とされそうなので、どうにも出来ずにいた。
イナは本当に人間なのだろか。なんて余裕が出来て来たら、冷静に物事を見れるようになった頭で考える。
というのも、さっきから、襲ってくる魔物を走り抜ける際に首を落として倒しているからだ。
私が知らないだけで、人間はこれ位強いのが当たり前なのだろうか。
まだ、明るいが山の半分程度の場所で休むことになり、イナがまたまた便利な道具を使い、一人用テントを二つ出した。
そして、寝る前に魔法を教えて貰うことになった。