二羽目 出会い
視点は、『イナ』という冒険者です。
ある酒場にて……
「知ってるか?双剣で戦う新人のこと」
「あー冒険者ギルドで見かけたなぁ」
「つえーのにパーティーに入らないんだよなー」
「な。あっこれは知ってるか?その双剣使い、Fランクで大蛇倒して、一気にDランクだとよ」
「まじかよ…すげぇな」
「な。」
「ヘックション!」
ついこの間Dランクに上がった男、イナは、小さな村の近くに出来たダンジョンへと来ていた。
「ふー、これでダインジョン制覇」
後は、あれで帰るだけか
目の前に出て来た扉を見る。
ダンジョンでは、ボスを倒すと必ず出る扉だ。
イナは扉をくぐり、ダンジョンの入り口へと戻ってきた。
・・・夜だったのか。
村に戻っても泊まる所がないかもしれない。
適当な場所にテント張るか
イナは【暗視】を使い歩き始めた。
しばらく歩くと大蛇が見えた。獲物を見つけたのか、体を大きくして口を開いていた。
大蛇が狙っているのは人か!!
イナは走り出す。
そして、少女の前に立ち、襲いかかろうとしていた大蛇の歯を受け止める。
「ぐっ…」
一度倒した事があると言っても、やはり中ランクモンスター、受け止めただけで腕が痺れてしまう。
大蛇はギロッとイナを見、尻尾でイナを吹き飛ばす。
「がはっ」
木に激突した為、遠くに飛ばされなかったが大蛇とはそれなりに距離があった。
だが、イナにとっては最高の立ち位置だった。
幸運にも大蛇は、標的がイナになっているようで、こちらに向かって来ていた。
腕をクロスさせ、足に力を込める。
そして…一気に距離を詰めた。
大蛇は反応が遅れ、一瞬動きが止まった。
イナは、両腕を広げ大蛇の頭を落とす。
どさっと大蛇が倒れた。
「はぁはぁ…」
周りを見渡して襲われてた人に近付く。
「………」
イナは基本無口な性格だ。
だからだろう、何て声を掛ければ良いのかが分からないのは。
「あ、ありがとうございます。」
元雀は、暗がりにも大分慣れ、ぼんやりと見える人影に声をかける。
「…いや、えーと、大丈夫か」
「は、はい」
「……」
「……」
お互いが無言になってからしばらくして、ボソッとついてこい。と言ったイナが歩き出す。
「ま、まって…」
慌てて立ち上がるが、転びそうになる。
イナが少し慌てて支えた。
「…すいません」
そりゃあ怖いよな。とイナは思っている。
それもあるが、元雀は立ったのが初めてだった為、慣れていないのが大きかった。
支えながら、歩き出す。
丁度、日が出て来たのもあって二人は村へと向かった。
蛇って、尻尾という表現で合ってるんですかね。
それと余談ですが、最初大蛇は高ランクモンスターとして書いたんですけど、それをあんなにサクッと倒してしまったら、イナ強すぎですよね。
なので、中にしたんですよ。
よければ、次も読んで下さい。