#5
吉田名言集
「ピッコロの腕を移植されて魔族の波動に目覚めた未来悟飯とか見たくね?」
すっげーすっげー美人が
行かないでって泣いて懇願している。
男は誰でもそうだと思うが、美人の涙ってのには特に弱い。
泣いた女に対してどうしたらいいのかわからない。
わからないから、まあ、逃げるよね。
よし! そろりそろりと車に乗り込もう!
「マジかお前らあああああー!!?
見て! 私! 女の子! 泣いてるよ!? それ見て立ち去るとか男としてあり得なくなくない!?」
しまった見つかった。
「だって吉田が関わるなって言うし」
「俺のせいにせんでよ!?」
「くっ、ふふふふふ……。そうですか。やはりあなた方も私を拒否されるんですね………もう殺すしかねェ…!」
うーわなんか物騒なこと言い出したよー。
やだなー。この子やだなー。
「落ちついて! ね? まずは話をしようじゃないか! ね?」
「問答無用です! ハアアアアアァァア邪気退散! 我田引水! 焼肉定食! ホタルの光よ私に力を貸して! ホタル魔法が裏奥義! 抹殺滅殺瞬殺エクストラ・ブリリアント・ビィィーム!!!」
躊躇いゼロかよ!?
瞬時にユーリュの掌に淡い光が集まるやいなや…
ジュドゥンッッ!!!
強烈なビームが放たれた!
やばい死ぬ。また死ぬ。
「うわあああああああああああああああああーーーー…………あれ? ……なんともない?」
ちょっとチリッとしたかなー程度で済んだ……?
「馬鹿な!? バキャな!? 私の抹殺滅殺なんとかビームを食らって無傷ですってぇー!?
ハッ!? この臭い……さては貴様、防虫スプレーを身に纏っていたのかァー!!?」
「ホタル魔法って蚊除けスプレーで防げるのかよ!?」
クソみてーな魔法じゃねぇか!
でも蚊除けスプレーしてて本当に助かった!
「でも何で治療してる時に気付かんかったんじゃろ?」
それはホラ、話の都合というか何というか、ね?
そんな感じだと思いますよ? ええ。
念の為、もう一回スプレーしとこうと蚊除けスプレー『キュンチョールの蚊ヨケール君』を取り出せば、ユーリュはひどく狼狽した様子だ。
「ひっ!? あなたそんな物を取り出してどうするつもり!?
わかった! その防虫スプレーを私に散布するつもりなのね!? あな悔しや! 防虫スプレーを浴びたホタル魔法使いは一時的に魔法が使えなくなると何故知っているの!?
魔法が使えない私なんて、ただのか弱い美少女だというに!
こうして力の使えない私を無理矢理拘束して、無理矢理黒パンストを履かせて! 40デニールの黒パンストを履かせて! 無理矢理黒パンスト脚に練乳を塗りたくるつもりなんだわ!
この……変態っ!!」
「うるせえ!」
蚊ヨケール君プシュー!
「ギャアアアアアアア!! いやあああああああ!! やめてええええええー!!! 重点的に脚を犯されるぅぅううううー!!!!」
「よしっ、逃げるか!」
バタンと軽バンに乗り込む俺。
「宮崎君って最低のクズじゃなぁ」
うるせえ走れとボンネットを蹴りつければ、やれやれと言った風に吉田カーは夜道の川原を発進した。