#19
吉田名言集
「俺が初めてスタバ行った時、メニューに何書いとんか全然意味わからんでな。マジ異世界じゃ思うたわ」
「えー、まずご覧頂いている森の写真。
はい、緑豊かな素晴らしい森ですね。ここはかつてエルフの森と呼び称された当時の写真です。ここにある木々は全て神樹と呼ばれる特別な木なのです」!?
「え、なんでヤンキー口調やめた?」
「では城島さん次の写真をお願いします。はい。我々エルフは太古の時代よりこの神樹と共に歩んできました。この写真ではエルフが巨木の穴倉を改良して家にしているのがわかると思います。
他にも枝の間に小屋を建てたりと、建設物に耐え得る大きさと頑丈さを持ち合わせた巨木の神樹を、我々エルフは母神樹と呼んで親しんできたのです」!?
「だから何で普通に喋ってんの? ねえなんでー?」
「うるせぇ! わざわざ『"』付けると"書く"のが"面倒"になるっつー作者側の"のっぴき"ならねぇ事情があんだよ悟れっ!!?
……こほん。えーでは、神樹の木々は我々エルフに欠かすことの出来ない、大切な大切な家族であります。
次の写真お願いします。はい。森の小川で水遊びをするエルフ。数十年前まではエルフの里でよく見られた日常風景ですね」!?
「うおおおおおお!!! これだああああコレこそ求めてたエルフ像だよ!!!」
「こ、こここの美しいエルフの美少女は今どこにおるんじゃぁぁぁあーー!!!?」
「よせよ照れるぜ/////
これは三十年前の私です」
「うっわお前かよ!?」
「"うわ"って何だ"うわ"って!? あぁん!!?」!?
「こんな静謐そうな美少女エルフが、なんでこんなレディースヤンキーになっとんじゃ……」
「チッ。それには"理由"があんだ。
オラ城島ァァア! "次"の"写真"に速攻"で変えやがれ!!
はい。
これは神樹を無断で伐る密伐採者の写真でございます。
太く頑丈で真っ直ぐで、建築材としては一級品。それだけじゃない。神樹には浄化の力があった。
なにしろ神樹の力は、かつての『山田』の汚染から三百年かけて世界を浄化した程の物。『テンパム』の囁く呪詛でさえ神樹の前には童歌に等しい。
しかし神樹は我々エルフの家族。安安と売り払う訳にはまいりません。ですから密伐採者との諍いは絶えませんでした。
何度も何度も繰り返される衝突に、我々エルフは疲れ果て、遂にある重大な決断をしたのです。
それが……」!?
写真が入れ替わる。
土壁に映し出されたのは、ハゲ山と化した森の残骸の中、屋外ユニットバスに浸かる幸せそうなエルフの姿。
バスにはお湯の代わりに金貨や紙幣があり、完全に成金風呂だこれ! 雑誌の広告でよくあるアレだ!
「"神樹"を"売っ"ちまおうってよォ!!?」!?
「なんっっっでそうなるんだよォォオー!!??」




