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#11

吉田名言集


「徒然なるままに日暮らし硯に向かいて竹をとりつつよろづのことに使ひけり。名をばさぬきのみやつこと……あれ?」





武器屋を後にして吉田車に乗り込む。


「よっ、待たせたな」


「どう売れた? ええ値ついた?」


「まっ、上々って所だな」


俺は懐から黒いカードを取り出して見せる。

このカードにはクレジット魔法なるものが施されているらしく、この世界のあらゆる店舗で使用可能らしい。

名実ともに魔法のカードだ。


余談だが作者のクレジットカードは焦げ付かせた過去があるため使うことが出来ない(実話)

ローン払い終えてもカード復帰できる訳じゃないので「ご利用は計画的に」というのはマジ真理。

馬鹿が考えもなく人を信用すればカモにされるだけなので、みんなも気をつけよう!(教訓)



閑話休題。



武器屋のオヤジによると、三ヶ月後にブラックマーケットで大々的な盗品市が開催されるらしい。

ハンターハンターでありそうなイベントだな!


そこで禁聖剣シンシアを競りにかけるんだと。恐らく目を見張る値段になるだろうし、それまではこの魔法のカードを使って構わないとのことだ。


店主が「くくく。もう廃業したつもりだったがなァ。十年前にクライライラ国中を騒がせた盗賊団!その首領だった頃の血が騒ぐぜ…!」みたいな物騒なこと言ってたのは聞かないことにした。ぼく知らない。なにも聞いてないよ? 保身に全力ダッシュが長生きのコツだよ? 一回死んだみたいなもんだけど。



「売り上げはオヤジと半々にする契約したけど、上手く行けば俺ら二人で一生遊んでくらせる額になるそうだぜぇ?」


「そりゃええな。一生ニート生活できるやん。つーか、それならもう元の世界に戻らんでもええわ」


確かに。

労働や学業からの解放というアドバンテージは計り知れない。

家族や知り合いが気掛かりなのは否定しないが、会いたくなったら転移魔法使える奴を探せばいいだけだし、吉田と一緒ならコッチの世界でも退屈することはないだろう。


「心残りはジャンプを毎週読めなくなったくらいだな」


「それでも宮崎君と一緒なら、それで俺はもう楽しいけぇ不満はないで」


「うっわ何言ってんのキモッ! ホモかよテメーそーいうのヤメろキモいから! あーキモ! エンガチョだわー」


「今のはちょっと感動するシーンじゃろ!? あーもう怒った! 俺が車じゃなかったら今頃宮崎君の小指の爪剥ぎ取っとるでマジで!」


「なんでお前はちょくちょくそうバイオレンスに突っ切るの?」


こえーよサイコパスなの? お前が流血沙汰の喧嘩するたびに、関係ないはずの俺までクラスの女子に嫌われてたんだぞ?


「ああついでに思い出したわ! なんで宮崎君だけ店で飯食べとんじゃい!? ずっけーよ!」


「ええええー……今更それ言うの? だって吉田、車じゃん。給油口から料理突っ込むわけにもいかんだろ」


「そんなん、頑張りゃ人間ボディーになれっかも知れんじゃん! よーし試してみるけぇよ! うおおおおおおおおおお!!!!!」


「いやいや流石にそれはホタル魔法に夢見過ぎ……」


ボンッ!


「いてっ」

一瞬の浮遊感の後に尻餅ついて振り返れば、煙の中から吉田が……人間ボディーの全裸な吉田が!!?


「人間に戻れたぞ……!」


ホタル魔法SUGEEEEE!!!!


「こうして人間に戻れたことじゃし、まずは宮崎君の爪をへし折らんとな」


「いや待て!待て待て待て待て痛い痛いやめてごめんなさい俺が悪かったすみませんすみませんいいから服を着ろ馬鹿ッ!!」


全裸の吉田に襲われる俺の図。腐女子の皆さんお待たせしました。

こんなサービス滅多にしないんだからね痛い痛い痛い爪が痛い!!!




風邪も治ってきたんで今日から更新再開でフ。

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