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#9

吉田名言集


「誰だよ電話なんて発明しやがった野郎はブン殴ってやる!!!」






「へいらっしゃい」


街の外れにあった武器屋を見つけ、吉田を残し中に入れば、筋骨逞しい店主が無愛想に立っていた。


「売りたい物がある」と要件を伝えると、店主は舐めるように俺を眺めた後に、「異世界人か」と言った。


「よく分かりましたね」


「なぁに、金に困った異世界人が物を売りに来るなんて事は、まあ珍しいが無い事も無い。

だが、お前らの世界の物だからって、価値のない物に値段は付けられねぇぞ? 大人しくギルドで仕事探したほうがいいんじゃねぇのか?」


それは御免被る。だって仕事とかダルいし。

働きたくないし。でもお金欲しいし。


「そう言わずに見るだけでも見てくれよ。俺のいた世界じゃなくて、ちゃんとこの世界の剣だからよ」


「剣……?」


店主が眉を潜めた。


「剣、ねぇ。ここいらは平和な方だから、あんまし需要はねぇぞ。ほれ、ウチの棚にあるのも農機具がメインになってるし」


店を見回してみると確かに、鍬やスコップや野菜の種や肥料農薬ばかりが目に付く。

え、武器屋だよね?

ホームセンターじゃないんだよね?


「確かに平和そう。ギルド行ったらモンスター討伐とかやらされそう思ったけど、これギルドでも仕事無いんじゃね?

もしくは農作業やらされるとか?」


「あー、最近は田植えの手伝いとか多いって聞くな。

でもギルドの仕事で多いのは工場の仕分けとか営業の見習いとかだな」


「タウンワークか!?」


いや確かにモンスター討伐とか命賭ける系はノーサンキューだったけど、それにしたって地元密着すぎんだろ!


ほんと最初にギルド行かなくて良かったー。なし崩し的に働くことになってたら死んでたわ俺。もしくは三日でバックレするわ。

特に営業とか多忙安月給の上下関係厳しくて部署全員仲が悪いギスギスしまくった地獄みたいな環境じゃん。人間のする仕事じゃねーよ(※あくまで宮崎君個人の主観です。作者が営業に嫌気がさして辞めた件とは全く関係御座いません。全く関係御座いません!)



「ところで、剣を売りたいって事だが、お前さん免許はあんのかい?」


「免許……?」


「当たり前だろ。免許も無しに剣なんてぶら下げて見ろ。銃刀法違反でしょっぴかれるぞ。

売買するのも一緒だ。お前さんの世界でもゲーム売る時は身分証提示するだろ? 武器の所持免許が無い奴とは相手できねーのよ」


なんでお前らそんなに日本事情に詳しいの?

異世界転移のアドバンテージまじ無いんですけどー?

こんなの異世界転移詐欺じゃん! 王道から外しただけでオリジナリティが生まれるとか思ってんの!? 甘いよ!!

プロットから練り直しを希望す……あっ、プロットすら無い? へぇ……。


「でもどうせ免許取るのも面倒な手続きとか費用かかるんだろ?

そう言わずにさぁ。見るだけでも見てくれよー。

そして半年くらいは遊んで暮らせる値段で買い取ってくれよ親父ー」


「馴れ馴れしい野郎だな……。確かに免許取得は市民じゃないと許可下りないし、市民になるには三年間税を納めなきゃだからハードル高いのは認めるよ。

…………はぁ。異世界人だから何かと元手が要るのは分かるしな。わかったわかった。他言無用でよければ買い取ってやるよ。

俺の伝手やブラックマーケットに流したりなら足が付くことも無いだろう。ただし値段に期待するなよ? 武具の需要なんてあんまり無ぇからな」


サラリと黒いこと言うなぁー。やだなー、こわいなー。


「恩に着るぜ店主。で、それがこの剣なんだけど」


俺は剣を棚に置き、布(車に置いてたタオルケットもそのままだったから剣に巻いてた)を取り外してみせた。


「なっ!!?」


店主は細剣を見るや目を見開き、震えながら剣を取り「まさか…」とか「いや、でもしかし…」とか「いや、でもしかし、まさか…」とか「…まさか、しかしでも、いや、」とか「だがしかし…」とか「だがしかし…ほたるさん…サヤ師…いやハジメさんか…」とか言いながらしきりに剣を鑑定すること十分。



「これは……『禁聖剣シンシア』……間違いない。本物だ……!」



活動報告で昨日の俺が「今日は二話書く」なんて言っていたらしいですが、昨日の俺を信じてはいけません。

昨日の俺は嘘つきなのです。本日は一話だけ更新です。

昨日の俺に代わりまして今日の俺が深くお詫び申し上げます。

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