1話.すりをしてる人っているけどさ、もしもとった財布の中身がすっからかんだったらどんな気分なんだろうね?
いろいろと書き足したりしました。
最初は狙って説明をほとんどやらなかったんですがやっぱ小説は説明もあってこそだと思ったのでw
「暇だーとおちゃんなんかおもしろい話してよ~」
「ん~いいぞ、じゃぁ俺が唯一知っている昔話をしてやるよ」
「お願い♪」
「それじゃぁ…
その世界では、人、エルフ、ヴァンパイア、獣人、幽霊、そのほかの少しの種族が共存している。
過去には種族という区切りから大きな争いもあったりした。それが終わりその区切りのことを気にするものはいなくなった。
だが、その代わりに別の区切りができた。
種の区切りの次は力だった。
力が強ければいい強ければ強いほど権力が与えられるそんな世の中だ。
そんな中で、圧倒的な力をもち明らかに別次元であり単体で大国を相手にできるんではないかと言われている者たちを限界を【越えしもの】と呼び、逆に力が弱すぎたり強い力を持っていてもそれを制御できずにいるような者たちを【欠者】と呼ぶ。
こんな力がものをいうような世界ならば自分の力に酔いしれたり、自分の力をもってして世界を手に入れようと思うやつがでてきたりして、むしろ争いも多くなりそうなものだが、すべてをまとめる王が世界で2番目に強い限界を超えしものであるからそんなことにはならなかった。
王は政治を進めるのがうまく、物々交換で行われていた売買を通貨で統一し
食い逃げや殺し、万引きなどには厳しい罰を与えるなどなどいろいろな革新を起こした。
その中でも毎年開かれる力試しの大会のようなものは、大盛況で物凄い熱気だ。
そして、大会の当日、町では大きなお祭りが開かれている中俺とある男二人は皿洗いをしていた。
黒色の髪に黒色の瞳、腰には四角いキューブのようなものをぶら下げているのがクヲン。横にいるもう一人の銀髪の赤い目をした男はクラウスと言ってクヲンの師匠だ。これはその二人から始まる話だよ…
*
「う~なんで俺がこんなことしなきゃならねぇんだ~」
「なんでってお前そりゃ金を持ってなかったからだろうよHAHAHAHA」
黒色の髪に黒色の瞳、腰には四角いキューブのようなものをぶら下げているのがクヲン。横にいるもう一人の銀髪の赤い目をした男はクラウスと言って俺の師匠だ
「HAHAHAHAじゃねぇんだよ!!お前がおごるっていうから俺はお前とめし食いに来たんだぞ!!!!」
「まぁまぁ落ち着けって、自分をしっかり押さえられなきゃ♪はいはい深呼吸、深呼吸」
「はぁ~~ため息がでるよまったく…」
俺は肩を落としながらつぶやく
「だいたいクヲンが容赦なく店で一番高いもの頼むから予算をオーバーしたんじゃん」
「飯おごるから食いに行こうぜ☆って誘ってきたのはお前だろうが!そんなこと言われたら金をそれなりに持ってきてると思うだろうが!!」
「しかたないだろ~?それに関しては俺悪くないっしょ~」
「いや全面的にお前が悪いたとえ法はお前を…いや、きっと法もお前が悪いと言うに決まってる」
「それにしても、小さいものが好きとか言ってるんなら飯のときももっと小さいもの食えよ!値段的にも量的にもさぁ」
「はぁ?それとこれとは話が・・・・・」
「おめぇらぁ!!!だべってないで手を動かさんかいゴラァ!!」
『はい!店長さん!!!』
3時間後…
「ふぅ~やっと解放された」
「あの店長きびしかったね~」
悪びれる様子もなくそう言ってくるクラウスにがっくりと肩を落とす。
「お前は自分のせいであんなめにあったってことを…」
ドンッ
話しながら歩いていたら人とぶつかった
ぶつかった相手を見るとそれは深くフードをかぶってわかりずらいが特徴的な耳を見るにエルフの少女だった。
「ごめんなさい…ほんとうにごめんなさい…」
「いや大丈夫、そっちは怪我とかない?」
「はい…ほんとうにごめんなさい」
そういうとエルフの少女はただただごめんなさいと言い続けて歩いて行った。
「あそこまで謝る必要ねぇのにな」
「クヲンの顔が怖かった可能性」
「そんなわけないだろ!!」
と言ったところで、俺はとんでもないことにきづいた。
・・・財布がない。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「!?どうした!?自分の顔が怖いということにきづいて気が狂ったか!?」
「ちげぇよバカ!さ、財布がねぇんだよ!!」
(あと顔は怖くねぇよ!)
「なんだそんなことか」
心底どうでもいいようでため息まじりで言ってきた。
「そんなこととはなんだそんなこととは!!!!大問題だろうが!!!」
「いやさ、クヲン君。俺たちが皿洗いをしていた理由を思い出して御覧なさい?」
・・・・・
そうだったお金なんてはなから入ってないんだったね俺の財布。(グスン
ん?でも待てよ?確かあの財布って…
「そういえば俺が持ってたあの財布お前のだったわ」
「はぁ!?その告白に驚きなんだけど!?」
「いやお前がさっき忘れてったから持っておいて渡そうと思ってたんだけど忘れてた」
「取り返しに行くぞ」
「なんで?金は入ってないんだからいいんじゃないの?」
「金は入っていない。しかし、さっき3万で買ったお金が貯まる御利益のあるキーホルダーが付いているんだ…」
「3万のキーホルダー!?お前何買って…てかさっき金がなかったのはそれが原因か!!」
「ふっ俺はな目先の少しの金よりこれからのたくさんの金を選ぶのさ」
バカだやっぱりこいつバカだ。こんなのが俺の師匠なんて…
あきらかに俺は選択を間違えたこんなやつじゃなくてもっといい人を探せばよかったぜちくしょう
「とりあえず後でぶんなぐるとしてとりあえずそのキーホルダー取り返して速攻で返品しに行くぞ」
「バカなこと言ってるんじゃないあれは今後の俺の金儲けに必要なんだぞ!」
「バカはお前だ!とりあえず行くぞ!」
とりあえず走り出す。絶対に取り返さなければならん。3万?3万だぞ!?そんだけあればやろうとすれば
2~5日分くらいの宿泊費くらいにはなるだろうが!!
「あ、ちょいまっておいお~い!絶対に返品なんてしないぞ俺は!お~い!」
あの野郎、これが初めてじゃないだろうが 前も同じようにいらんオカルトグッズ買いこんでうれしそうに
俺に見せつけてきて…その時も容赦なく返品しに行ったけど。
なんで、そんなにだまされやすいんだよまったく
「お~い!そもそもさっきのエルフどこに行ったかわかるのか~?」
俺はゆぅっくりと振り返り、とてもいい笑顔で
「わからん」と吐き捨てた。