憂鬱な始まり、後10日
「おは・・・」
「ひーちゃんっ!!全部読んだっ?!!」
あいさつもろくに出来ないまま、私はめぐに抱きしめられた。めぐって胸ないよなぁ・・・。まあ、顔も可愛くて胸もあったらぶっ殺したいと思うから1ミクロンも可哀想とか思わないけど。私も小さいし・・・くっそ。
私はめぐを押しのけて教室に入る。
「あんな恐いの一日で読めるはずないでしょ」
「えー、私だったらよだれ垂らしながら徹夜で読むんだけどなー」
お前は特別だよっ!!
口には出さないけどね。こいつ・・・!!
「んー、最初しか読んでないんだよね?じゃあ、他人格と主人格のやつ?」
「・・・そんなんだった、かな」
うわー、思い出したら鳥肌がっ!!うう、恐い。普通に人格2つもいらん。
私は私だっ!!・・・あ、今めっちゃカッコいいこと言ったよね、私。
ほんと意味分からん。何で自分自身のなかに閉じこもるわけ?おかしいだろ。てか、精神世界に閉じ込められるとか・・・逃げろよっ!!泣けよっ!!何で喜ぶんだよっ?!おかしいでしょっ?!!私だったらそっこー泣き叫ぶわ。意地でも現実に戻ったるわっ!!
「面白くなかった?」
「ん?・・・恐かった」
「恐い?何で?とっても素敵じゃん!!」
「はぁ?!!」
素敵だとっ?!!何処が?!!あのキチガイやろーの何処が?!
・・・まてよ。これは私がヤンデレ恐いと思っているからなのか?ヤンデレ好きにはたまらない話なのか?
「2人だけの世界なんて、きっと素敵だよ・・・」
「・・・・・・・・」
そんな高揚とした顔しても、私にはまったく理解できんから。
こっち見んな。私には肯定も否定もできないからっ!!
「あのさ、あれ何個あるの?話」
「・・・うーん、10個ぐらい?」
「ええ、じゃあ10日もかかんの?!・・・はあー」
あんな恐ろしいものを10日間・・・。鬱だ。
「ふふ、ふぁいとーひーちゃん!これ頑張ったらきっとひーちゃんの負担も楽になるからっ!!」
可愛い顔で応援しないで。頑張っちゃうしかないじゃんっ。
「今日はどんな話なんだろ・・・」
「2つ目の話は、OLとホストの話だったと思うよー」
「OLとホスト・・・?」
またドロドロそうな話じゃないか。
私はそれを読まないとダメなのか・・・。
意識が遠くなりそうだ。こういうときもう1人の人格欲しいよ・・・。
※12日を10日に変更しました。※