越川の極秘計画
保健の授業が始まった。やっぱりあいつは可笑しい。誰もいない渡り廊下で何かが起こる。
保健の授業。
何故か教科書を使わない服部流授業が始まった。
「みんなは恋愛しとるか?」
と、教卓の手前に両手を開きながら前傾姿勢をとりそう言った。
みんなはというと全く聞いていない。
やっぱりクソ担任だからな。
それに担任はぶちギレた。「お前らケンカ売ってんのかぁー」と言った。
俺が苦笑してると、隣にいる越川さんに話しかけられた。
「服部先生、大丈夫かな?」
「大丈夫大丈夫!いつもあんな感じだから」
やっぱり越川さんはこの授業に慣れていないようだ。まぁ越川さんの気持ちはわかる。
4月くらいだろうか、まだ2年になったばかりのころ、アイツの授業慣れなかった。いきなりあんな感じでキレるわで大変だったか記憶がある。
そうこうしているうちに終業チャイムが鳴り、生徒はくつろぎの時間に入った。
「大丈夫かな(苦笑)」「大丈夫だろ、多分(笑)」
服部はキレたまま帰っていった。
越川さんは用具をさっとしまい、教室から出ていった。
…………
「ふぅ、服部の授業疲れるぜ」
誰もいない渡り廊下で越川一人いた。
「そろそろ、あいつらの出番のようだ」