異様な緊張感
転校生(越川)に連れられ教室に戻った俺は笑った笑顔に惚れていた。
英語の授業が始まって15分後、俺は猛烈な眠気に襲われた。
「やべぇ、寝てぇ」
と、俺は無意識に居眠りしてしまった。
やはり先生は鋭い。
寝始めてから数分しないうちに注意された。
「オイ!浅井ぃぃ!なんで寝るんだぁぁ」
相変わらずウザい。
まるで担任の服部みたいだ。
因みに服部の担当教科は保健。
他の野間とか稲垣、板倉はペラペラ喋ってるのに、何故俺だけ怒られなきゃならないのか疑問に思ったが、いま言うと、机を蹴られ、めんどくさいことになる可能性があるため、俺は
「すいません」と言うしかなかった。
隣にいた越川さんはクスクスと笑っていた。まぁ、越川さんの笑顔に免じて許すとしよう。
無事になんとか授業は終了し、10分間の休憩になった。
女子は女子、男子は男子ではっきりと分かれるが、また女子は越川さんに集まりやがった。
俺はまた危険を察知し板倉らが話しているグループに首を突っ込んだ。
(ここからは対話形式でお伝えしよう)
浅井:「オイッス板倉ぁー、何話てんの?」板倉:「いやー、担任について話してるんだ」
野間:「アイツ、カマキリみたいだよね」
稲垣:「あー、確かに。登校途中、電車の車内にカマキリおった(笑)」
浅井:「まったくだ。女子生徒からも嫌われてるしな(笑)」
鈴木:「俺アイツの家知ってるよ」
板倉:「マジか!?」
吉岡:「めっちゃ高級マンションの24階らしいよ?」
野間:「似合わねぇ(笑)」
稲垣:「荒らしに行くか(笑)」
と、楽しい会話は10分で終了した。
次は保健。服部の授業だ。
すると教室のドアをガラッと開け、「席につけ~」と教科書を持って入ってきた。
服部はマイチョークを取り出し、黒板に堂々と「恋愛」と書いた。
「今日は恋愛について話し合うぞー」
と、教科書を使わない服部流授業が始まった。
「なんだろう、めっちゃ緊張する………」
と、なんだか異様な緊張感を覚えた。
あんな事が起きるとは知らずに。