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最弱の邪神は悪役令嬢に転生しても世界を支配したいようです  作者: 米西 ことる
第一章 冤罪なので脱獄したいようです
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悪役令嬢エルダ・カーミラ


地上は数刻前の邪神達の戦いの影響で未だ混乱していたが、罪人である邪神達からするとそれは好都合だった。


そして、邪神はどうしても行っておきたい場所があった。それは邪神の体の元の持ち主、エルダ・カーミラの屋敷である。


好都合なことに、現在は誰も見張りがいないため、容易く侵入出来た。


広い屋敷内を歩き、邪神とアリシアは復活した時のあの部屋に来ていた。


「ここに、何かあるのですか?」


「ああ、この体の前の持ち主のことを知っておきたくてな」


幸いなことに、部屋には特段押収されたものは無かった。


邪神は「邪神様へ」と書かれた紙を手に取り、裏に書かれた魔法陣をイアズァールに見せた。


「これは......善神と邪神のシンボルを組み合わせたような.......だが、おそらくお前のシンボルでは無いか? 闇っぽいのあるし」


「私もそう思います!」


「これは我のシンボルか......我の復活を企ていたのか?」


邪神は紙の下にあった本を手に取り、中身を読んだ。

読み終えた邪神は静かに本を閉じ、机の上に戻した。


「何が、書かれていたんですか?」

アリシアが訊ねた。



本のあるページに、邪神に向けて書かれたメッセージがあった。



邪神様へ


時期に、私は大罪人となって捕まり、処刑されることになるでしょう。その罪はきっと、国家反逆罪、または邪神の封印解除などもあり得るかもしれません。

ですが、私は無実です。

こうなったのは、私がこの国の【禁忌】を知ってしまい、前々から目をつけられていたのが原因でしょう。

おそらく私を陥れた犯人は王か公爵、協力者は魔法学園の学園長、あとは聖女の可能性があります。


私は、貴方の不完全だった転生の禁呪を成功させます。私の死後、体も遺産も好きに使って貰って構いません。ですが、その代わりに、私の無実を証明してください。


エルダ・カーミラ



邪神はため息をついた。

「......復活の礼だ。世界を支配する前に、まずはお前の無念を晴らしてやろう。エルダ・カーミラ」


邪神は何かの手掛かりになると思い、その本を持ち出すことにした。


邪神はほぼ布切れと化したボロい囚人服を着ているため、エルダの屋敷にあった服を借りて服装を着替えることにした。



邪神は黒と白を基調として西洋貴族風の服装になり、アリシアは本人の要望でメイド服を着た。


そして、その他の旅に必要な物を片っ端から集め、邪神の空間収納魔法でしまった。


邪神達は地下へと向かいつつ、話をしていた。

「そう言えば、この屋敷の者はどこへ行ったんだ? まさかエルダ・カーミラひとりでこの広い屋敷に住んでいたわけでは無いだろう?」


イアズァールが言った。

「そのまさかだ。一月前にカーミラ家の者はエルダ以外全員死んでいる。残った従者達もエルダが解雇したらしい」


「なら、お前の結界の管理はエルダ・カーミラ一人で行っていたのか?」


「そうだ。まあ、そのお陰なのかはわからないが、近頃は封印が緩んでいて、地下牢内のミノタウロスとかに取り憑いたり出来た」


「......その結界、たった一月で脆くなるようには思えない......おそらくはエルダの冤罪に関わるのだろうな」




屋敷の地下に行くと、そこには大きな金庫があり、本に書かれていた番号で開けてみると、なかには貴族らしく金銀財宝があった。


中の金品を空間収納魔法に詰めていると、一つ気になるものがあった。

それは錆びた剣。

見てくれはどう見ても(なまくら)だが、秘めた力を感じる。


邪神はそれも回収することにした。

鞘に入った剣を空間収納魔法に入れようとすると、閃光と共に弾かれ、中に入れることが出来ない。


「仕方がない、我が持つか」

邪神は鈍の剣を腰に携えた。




 屋敷を探索している中で地図を発見した邪神は、それを机の上に広げ、アリシアも机の方に近づいた。


アリシアは冒険に瞳を輝かせ、食い入るようにそれを見た。

「次の目的地はどこにするんですか?」


「ああ、次の目的地はここだ」


邪神が指差したのは聖都と呼ばれる場所だった。

現代の聖女が活動拠点としている、大聖堂のある巨大な都市だ。


「エルダ・カーミラの手記にも名があったのでな、まずは聖女に会いに行くぞ!」



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