#4
俺たちは、MPを整え、HPを回復し、いざ、扉を開け……。
……ん??
ダンジョンの主がそこには居た。居たのだが……。
「え?こぶた?」
そう、そこにはこぶたの三兄弟、つまり”三匹のこぶた”が居た。
敵は三匹、俺たちは二人。
どう出る!!
次の瞬間、モフが走った。そしてはしゃいだ。
モフの先には、干し草で出来た家があったのだ!!
モフはその家の屋根に登りはしゃぎ過ぎて、その家は崩壊した。
「お、お前!俺の家になんてことしてくれてんだ!!」
三匹のうちの一番年上っぽいこぶたが怒り狂っていた。
そして、次にモフが向かったのは、木の家。ヒノキの香りがする。
俺もヒノキの家に入った。
(え?凄い。これいい家じゃない?お風呂は?お風呂は勿論……?)
違った。ヒノキの家なのに、浴槽は普通のガラス繊維強化プラスチックだった。
俺とモフは項垂れた。そんなことがあるとは夢にも思わなかったのだ。ヒノキの家にはヒノキ風呂。そう思っていた。
その様子をみた次男らしきこぶたもめちゃくちゃ怒っていた。
「お前ら、人ん家に勝手に上がって、勝手に項垂れやがって!!」
そんな言葉は俺達の耳には入ってこなかった。もう既に、もう1棟の小屋に俺たちの興味は移っていたのだ。
俺とモフは咄嗟に走った。鍵が掛かる音がしたのだ!
やられた!一足先に、末っ子らしきこぶたがレンガの家に内側から鍵を掛けたのだ。
つづく。